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デス・トンネル 売ることだけを目的に製造された商品

とにかく全体的にPV風というか、雰囲気と映像だけは凝ってるけれども、ストーリーが全然展開しないんですね。最初から最後まで、長い予告編を見ていた気分です。

やたらと場面が切り替わるし、必然性もなく過去のカットバックもパカパカ入るし、いきなり早送りのようになる演出(最近のホラーでは御馴染みのやつ)が頻繁にあるしで、見ている方は置き去りになった気分になります。正直、もうこういう演出はウンザリですね。

おまけにジャケットの奇怪なマスクを被った男も、無慈悲な人殺しモンスターなのかと思ったらただのルンペンだったようで、ウロウロしているだけです。最後に「私はここの神だ!」などと言いますが、そのセリフが余計にルンペンを思わせます。

若い女性が5人も出てきてずっと薄着でいるので、かろうじて見ていられましたが、何がなんだか分からない感じが最後まで続くのはキツかったです。しかもこれといった見せ場もオチも無いですし。

心も体も疲弊するような労働を半日ほどさんざんさせられたあげく、缶コーヒーとジャムパンしかもらえなかったような気分です。

「これは事実に基づいている」と最初に表示されたり、5人の女性の頭文字を合わせるとDEATHになったりとか、もう勘弁して欲しいです。

多分製作スタッフたちにはホラーへの愛情は微塵も無いんでしょう。

一時期大量生産されたユーロビート音楽や、秋元康の企画物作品のように、最初から売ることだけを目的に製造された商品ですから、予告編さえ面白そうに作られれば本編なんかどうでも良かったのでしょうね。