トビー・フーパー監督による、カーニバルを舞台にしたホラー映画です。
カーニバルというのは、日本ではあまりピンときませんが、移動遊園地のようなものでしょうか。
場所を固定せず、各地を巡業するというのは日本ではサーカスなんかが近いかもしれません。
遊園地ということでメリーゴーランドのような乗り物が中心ですが、中には見世物小屋から簡易ストリップのような大人向けのものまであり、ちょっといかがわしくも懐かしい感じです。
この映画ではこういったカーニバルの描写を実に丹念に描きます。
見世物小屋では奇形の牛(本物)を登場させ、簡易ストリップ(一応乳首は隠してあるため、簡易という表現を使いました)を覗かせ、お化け屋敷ライドを体験させます。
この辺はまったくホラーでもなんでもないのですが、個人的には楽しいですね。
はっきり言ってホラーとしては全然怖くないので高い評価をし辛いのですが、個人的には懐かしいアメリカンホラーのテイストやカラフルな映像、カーニバルの描写などが良くて、嫌いにはなれません。
トビー・フーパー監督の本質が溢れている作品にも感じられます。
怖さ以外の部分を余裕を持って楽しめる大人向けのホラー作品だと思いました。
トビー・フーパーといえば「悪魔のいけにえ」で有名ですが、あれとは全然違うテイストですね。
でも彼の他の映画「悪魔の沼」「悪魔のいけにえ2」なんかもこの映画と同じ感じ、つまりチープでケバケバしいセットを舞台に気の狂った登場人物がイキイキと登場するモタモタしたホラーなんで、これが彼本来の味なんでしょう。
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