「ソウ」の監督による、腹話術ホラーです。
不気味な腹話術人形が盛大に登場するばかりか、とんでもないもので腹話術を披露する場面まであります。
序盤でイチャイチャしてる夫婦の奥さんが突如舌を抜かれ、とんでもない顔になって死んでしまうシーンはなかなか怖かったです。
これからどんな話が展開するのかと思っていると、その先の展開はどこかで見たことのあるようなものばかりで、次第に退屈になってきます。
主人公の奥さんは序盤で派手に死んでしまい、後は死んでもどうということのない人間ばかりのため緊迫感もないし、犯人は明らかに幽霊や化け物の類のため犯人探しの楽しみもありません。
「もしかして、これって結構馬鹿馬鹿しい話なのかな?」と思えてきました。
どうも監督は、昔の正統派ホラーを意識したようです。
「ソウ」とは別物の映画をあえて作りたかったのでしょう。
いかにも「お約束」なシーンが続くのも、狙ってやったことなんでしょうね。
しかし、こちらとしてはそれが見たかったわけではないため、「もうそういう映画なのは分かった。眠いからそろそろ終わってくれないかな〜。」と思っていると、最後にとんでもない事実が明かされ、「ソウ」とかが好きな人が喜びそうなシーンが登場します。
この辺が監督のバランス感覚なんでしょう。
確かにここの異常性はユニークでした。
少し違いますが、綾辻行人の「びっくり館の殺人」を思い出しました。
この本は児童向けなのに、やたら悪趣味な内容で大いに呆れましたが。
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