デイ・オブ・ザ・デッド テンポで最後まで楽しめる

ゾンビと共に生き、そして死んでいくであろうジョージ・A・ロメロ監督のゾンビサーガ3作目「死霊のえじき」のリメイク・・・だそうです。

冒頭、若者達によるペッティングが登場します。

能天気B級スラッシャー映画では定番ですが、これは社会派ゾンビ映画のリメイクです。

途端に、家のカギを開けっ放しにしてきてしまったかのような不安感に襲われます。

ゾンビになる原因も、感染症によるものらしいし、ゾンビになると全力疾走で追いかけてきます。

窓ガラスをバリーンと突き破って登場したり。

これじゃ全然ロメロのゾンビじゃないですよ!

ゾンビの世界も最近は世知辛くなってしまったんでしょうか。

昔はノロノロ歩いてアーアー言ってればオーケーをもらえたのに、今では「走れ!窓に体当たり!天井も走れ!」と厳しい注文が飛びます。

後期高齢者やネット難民でも務まったゾンビ役も、今ではジャパンアクションクラブとかに依頼しなければならないなんて。

「死ぬ気にならなきゃゾンビ役なんて務まらないぞ!」などと、良く分からない説教を食らったり。

ゾンビにとっても生きにくい世界になったようです。

若干安っぽいCGもバンバン使い、重苦しいシーンも無し、社会派な風刺も何一つ存在しません。

ストーリーも完全に別物ということで、リメイクどころか完全にロメロのゾンビ映画とは真逆の作りとなっています。

何故これをリメイクとしたのかは全く不明ですが、その点を無視すれば、なかなか派手なシーンもあり、軽快なテンポで最後まで楽しめるB級娯楽ホラーとしては良く出来ていると思います。