ラース・フォン・トリアー監督って、人が嫌がるような映画ばかり撮っている変態のイメージが強い人です。
自分も物好きな方なんで、こういう様子のおかしいタイプの映画は積極的に観てしまいます。
前半は、子供を事故で失った夫婦が懸命にその苦悩を乗り越えていこうとするドラマのようですが、徐々にホラーっぽくなっていきます。
段々、狂ったテイストの映像が挟まれるようになってくるのです。
しかし、終盤の阿鼻叫喚の展開には、さすがに唖然としました。
いったいなんでこうなってしまったのか、唐突すぎて呆気にとられたまま、ラストへの猛ダッシュが始まります。
この段階になると、まともにストーリーを考えることができません。
主役夫婦が狂ったというより、もともと狂った監督が本領を発揮したという感じです。
とにかく、どれもこれも見たくない、考えたくないシーンのオン・パレード。
監督が(おそらく)常に持ち歩いている「みんながとっても嫌がるシーン・ベストオブベスト」と書かれたノートから選び出されたネタを、次々と繰り出してくる感じです。
途中までは「こんな映画が好きだなんて言う人間にはなりたくないものだな」などと思っていましたが、終盤のゲテモノ映像大行進を観たら「・・・嫌いじゃない」と思い直しました。
映像のユニークさ、美しさでは確かに注目する部分が多いです。
「メランコリア」の序盤でもあった超スローモーション映像はこの映画でも非常に効果的に使われていて、なかなか良かったです。
コメントをするには会員登録が必要です