スローター 死霊の生贄 監督のやりたいことを詰め込んだ映画

オープニングから全裸美女が沢山出てきて血飛沫を浴びたりします。個人的に、最初のつかみにこういった気の利いたシーンを持ってくる映画は割と信頼できると思っています。飲み屋のつきだしのようなもので、これがダメなものはそれ以外も大したこと無いというわけです。

そしてB級ホラーの定番どおり、ヒロイン・力持ち・オタク・アバズレ・ヤク中の5人組が登場します。「またそういったメンツ?」と思う方もいると思いますが、これはRPGにおける剣士・魔法使い・僧侶・盗賊・遊び人といった職業のようなもので、あくまでもバランスです。

そんな心強いパーティーがオンボロ家に入ると、早速化け物が顔を出します。といっても最初は姿をチラッと見せたり見せなかったりするだけです。

そして、このために登場したのですから当たり前ですが、若者達はそれぞれ趣向を凝らした無残な死に方で殺されていきます。

死者の書が登場して死霊が復活する等、かなり「死霊のはらわた」を意識した内容です。独自性はあまり無いですが、監督がホラーが大好きで、やりたいことを詰め込んだことはよく分かります。

こういう作品は嫌いではありません。とにかくお客さんに楽しんでもらおう、というサービス精神は重要で、ただ意味不明の自己満足映画なんかよりずっと評価できます。

もちろんそのサービスとは、内臓を吐いたり、顔の皮が捲れたり、首がすっとんだり、セックスで死霊が蘇ったりする描写のことで、人によっては本当に不快で迷惑なだけのものであったりするため注意が必要です。