いわゆる「フェイク・ドキュメンタリー映画」の類です。
低予算でもアイデア次第で面白いものが作れるのがホラーの醍醐味ですが、フェイク・ドキュメンタリーはその最たるものです。
ここで重要なのは、「これって本物なのかしら?」と少しでも観客に思わせられるか、ということです。
それでこの映画ですが、普通のホラー映画が始まると思うとすぐに画面が乱れ、男が登場するとおもむろに殺人の告白を始める、という演出がされています。
しかし、上記のことはDVDのパッケージにあらかじめ記載されています(笑)。さらに、ご丁寧にもメイキングも収録されていて、監督や役者がにこやかに解説をしたりしています。
これではドキュメンタリー風の作りもぶち壊しだと思いました。本当は序盤に登場する普通のホラー映画としてレンタル店等に並べるのがベストなんでしょうが、実際は難しいでしょうね。
映像自体もそんなにリアルには感じませんでした。大体、主役の殺人鬼がいかにも役者然としていて、流麗に喋り過ぎです。AV男優と殺人鬼だけは、喋り過ぎは厳禁です。ジェイソンを見習って欲しいものです。
ただ、先がまったく読めないため、変な緊張感は最後まで続きました。
個人的にはこういう作品は好みではありません。アイデアもすでに斬新とはとても言えませんし、ただ不快なだけの作品になりがちだからです。
今後は更にもう一捻りが必要でしょうね。この作品にもそれを期待したのですが。多くの賞を獲得したにしては、普通のホラー映画に感じました。
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