真夜中の人肉列車、出発進行!
この映画に出てくる殺人鬼は、電車に乗るのも大好きだし、人を惨殺するのも大好きな男性です。
この原作は、実は学生時代に読んだことがあります。
クライヴ・パーカーの「血の本1」に収められた短編ホラー小説です。
当時はとにかく怖いホラーが読みたいと思って、この本に出会いました。
実際怖かったかというと、そういうわけでもなかったような気がします。
ただ、他の短編の内容はすっかり忘れてしまったのに、この話だけはずっと忘れませんでした。
今回映画版を観てみて、実にうまく原作を膨らませている事に感心しました。
基本の部分には忠実に、しかしドラマとして厚みが出るように主人公の設定を変更しています。
このお蔭で、ずいぶん話にサスペンス性が生まれていると思います。
スプラッターシーンの迫力はかなりのもので、とにかくパワフルでケレン味が効いています。
カメラワークが異常に凝っていて、それが非常に特徴的でした。
気持ち悪いところはすべてお見せしましょう!という悪趣味なサービス精神に溢れていて素晴らしいです。
最後のオチも基本は一緒で、映画版の終わり方もかなり良かったですが、個人的には原作の妙に美しく静謐な終わり方をやって欲しかったです。
でも、この原作を映像化するという試みではこれ以上ないほど見事に成し遂げたと思います。
北村監督の映画はこれが初めてでしたが、今後もハリウッドでパワフルな作品をたくさん撮って欲しいものです。
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