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機械じかけの小児病棟 とても完成度は高い

この「機械仕掛けの小児病棟」という珍妙なタイトルの邦題の映画、別に本当にシステマチックに整備された未来の小児病棟を舞台にしているわけではありません。

実際の舞台は、とにかくボロボロの病院で、壁にはじゃんじゃんヒビが入りまくり、エレベーターはシンドラー製なのか故障を繰り返し、ついでにお化けまで出てしまうという状態。

これが廃病院ならすぐに「行列ができる心霊スポット」として人気を集めるのでしょうが、まだまだ営業中、収容される子供にとっては堪ったものではありません。

しかも、ここに出没するお化けが、子供を虐待するの大好きというたちの悪いもので、「ボォギィィィ!」と子供の足の骨を折ってしまいます。

こんな迷惑な病院に配属された女性が主人公になります。

前半は、明らかに様子がおかしい子供達に気づいた彼女がこの病院の謎に迫るという、オカルト・ミステリーな展開で、地味ながらも丁寧に異常な病院の姿と真相を描いていきます。

しかし、後半から終盤に至っては、ホラーを見慣れた人にもゾッとさせるシーンが連発し、パワフルな展開を見せます。

途中にちょっとしたサプライズを用意するなど、非常によく考えられた構成になっていると思いました。

全体的には、古典的な設定と展開の古き良きオカルト映画を意識しながら、日本のホラーなど最近のテイストをうまく織り込んであり、とても完成度は高いと思います。

サディスティックで痛いシーン満載、子供にも容赦無しな鬼畜系の映画かと思いきや、意外にも泣かせるラストも良かったと思います。