ハロウィン(リメイク) 変に奇を衒ってなくシンプルな構成

ロブ・ゾンビ監督と言えば「マーダーライドショー」シリーズですが、これは個人的にはあんまり面白いと思いませんでした。

1作目は単純に面白くなかったし、2作目はチンピラ殺人一家を美化しようとしているのが気に入らなかったからです。

ちょっと感動させようとしてるのかな?と思わせる映像の所では、ひたすらシラケてしまいました。

笑いの要素もなく、ひたすらシリアスなのもつまらなかったです。

しかし、この映画では彼の個性が良い方向に向かっていると思いました。

この映画もかなりシリアスな雰囲気ですが、殺人鬼の子供時代の凄惨な殺人から始まる事で、ずっと緊張感溢れる異様なテンションを保っています。

「これは呑気なバカホラーでない」と思わせる事に成功しています。

肉体的な痛みを感じさせる壮絶なバイオレンス描写も満載で、スプラッターホラーのようなグロテスクさは抑えられていますが、そこが余計にリアルさを出しています。

「マーダーライドショー2」でも多用されていた「楽しかったあの頃のビデオ映像」も、今回は鼻に付くことなく良い演出になっていました。

前半の子供時代でじっくりと、この殺人鬼の残酷さ・凶暴さ・無慈悲さを描くため、割と一般的なホラー映画的展開となる後半でも怖さを持続することに成功しています。

「ロブ・ゾンビは優秀な監督かもしれないが、自分には合わないかな?」と思ってましたが、この映画は素直にとても怖く、面白かったです。

名作のリメイクということで、変に奇を衒ってなくシンプルな構成だったのも良かったのかもしれません。