クリープショー 恐怖のオムニバス映画

オムニバス映画って結構珍しいですよね。1本の料金で複数の映画が観れる!というのが売りなんでしょうが、今ではそういう貧乏臭い考えの人間はそもそも映画に行かないで、半額レンタルの時に大量にDVDを借りたりして済ませてしまうでしょうからね。

製作側にしても短い話が3本あったら、まとめて1本にせず、水増しして3本の長編映画を作った方が儲かるでしょう。普通に考えても金が掛かるだけのオムニバス映画が少ないのは無理もありません。

しかし、この「クリープショウ」はなんと5話も楽しめてしまうんですから豪勢です。監督はロメロ、原作(と出演)はキング、特殊メイクはサビーニと、スタッフも(ホラーファンにとっては)豪華です。

そしてとりあえずこの映画を見た人のほとんどが、他の話はスッカリ忘れてもこの話だけは決して忘れないという強烈な話が5話目にあります。

その理由は、とにかく大量のゴキブリ君が出演しているからです。今ならCGで対処するところですが、当時は当然本物を大量に用意したのでしょう。

まさに悪夢です。ゴキブリさんが本当に苦手な僕は、実際そんな夢を見たことがありますが、本当に冷や汗が出ました。ホラーとしてははっきり言って反則ですが、ラストの死体から大量のゴキブリ氏が皮膚を突き破って出てくるところはすごい特殊メイクですね!さすがサビーニといったところです。

最後の話がインパクト強すぎて他の話の印象は薄くなりがちですが、全体としてうまくまとまっている良作品です。今ではこういうユニークな作品にはなかなかお目にかかれないと思いますしね。