予告編に「オールドスクール・アメリカン・ホラー」と出てきますが、正にそれがこの映画のすべてですね。
正確には「オールドスクール・アメリカン・スラッシャー」ですが。
早い話、13日の金曜日系のスラッシャーホラーをそのままやってみました、という企画なんですね。
ただひたすらパワフルで醜く汚らしいだけの、これまた単純な殺人鬼は、見世物としての殺戮シーンを無愛想ながらもサービス精神たっぷりに見せてくれます。
アメリカ人の家庭に招待されたら、自宅の庭でバーベキューパーティーを開かれ、ひたすらボリュームたっぷりの牛肉ばかりを大量に食わされるような感じです。
牛肉もデイブ・スペクターのアメリカン・ジョークも大好き!という人には極上の時間ですが、そうでない人には拷問でしかない。
この映画は、あえてそう割り切って作った、アメリカンB級ホラー好きのためだけの映画と言えます。
ドリフのコントは、もう何度も同じネタをやっているので、どうなるかがすべて分かった上で「こうなるぞ!そらやっぱり!」と楽しむものですが、この映画もまったく同じです。
斬新な内容や、衝撃的な展開を求める人には退屈かもしれません。
しかし、この映画を作った人は、好きな人には徹底的に楽しんでもらおうと、自分のやれることはすべてやっているようで好感が持てます。
何もそこまでしなくても、というほど執拗に破壊される人体は、決してリアルな作りでは無いですが、中学生の自由研究なら担任の先生が「努力賞」をあげてしまうほどよく頑張っています。
残酷はテクニックではなく心意気だ、とでも言わんばかりです。
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