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地獄の変異 勢いとハッタリで押し切る感じが欲しかった

洞窟を舞台にしたモンスター・パニック映画です。

この映画に興味を持ったのは、あの水曜スペシャルの名物企画「川口浩探検隊シリーズ」のパロディ風に作られた日本版予告編を見たからです。

映画の内容ですが、探検隊が洞窟に行ったら隊長が化け物に襲われてオカシクなってしまい、自信満々にいい加減な指示を出すので隊員が「コイツはもうダメだ」と思いつつも仕方なく従っていると、化け物だの事故だのが飽きもせずに襲ってくるので、順調に数を減らしていくというものです。

洞窟の中の川でブクブク泳いでるシーンばかりで、化け物が出てくるシーンはかなり少なく感じました。この化け物は蝙蝠みたいに空を飛ぶのがユニークなんですが、なんで狭い洞窟の中でわざわざ飛ばすのか不思議です。水に浸かってばかりなんで、泳ぐ化け物を出すのが普通と思うのですが。

映像は美しく、とても丁寧に作られているのは好感が持てます。しかし、怖さがほとんど無く、気が付くと話がどんどん進んでいる(でもずっと洞窟の中なのでよく分からない)感じが最後まで続くのは困ったものです。地形も複雑なはずなのに、迷ったりすることはほとんどないし…。

面白い戦闘シーン等もあるのですが、もっと興味を引く場面を多く用意して欲しかったです。これでは数日もすれば「洞窟の中で化け物が出るんだけど、よく覚えてないや」という感想に落ち着いてしまうでしょう。

それこそ川口探検隊のような、何も無くても勢いとハッタリで押し切る感じが欲しかったのです。滅茶苦茶で不謹慎でも夢のあったあの興奮は、残念ながらこの映画には感じられませんでした。