殺人魚フライングキラー 特殊メイクは良く出来ている

ジェームズ・キャメロン監督のB級ホラー映画です。「ピラニア」の続編になります。

「タイタニック」「ターミネーター」「エイリアン2」と、大作映画をいくつも撮った監督ですが、この映画は超低予算のゲテモノホラーです。

本人もこの作品について聞かれることを嫌っているようです。「あのひでぇデビュー作について何か一言。」とか言われたことがあるんでしょうか。

しかし、この映画には彼のその後の作品を思わせる要素がたくさん見受けられます。沈没した船は「タイタニック」、腹の中から飛び出る殺人魚は「エイリアン2」、子持ちの奥さんが活躍するのは「ターミネーター2」、冒頭で素っ裸になる男は「ターミネーター」、飛行機のように飛ぶ殺人魚は「トゥルーライズ」(飛行機の部分)、「アビス」は…まあ海が出てきます。

前半はとにかくどうでもよいシーンばかりです。特にバカ男がビッチコンビに騙されて海に落ちる件はまったく必要ありません。「悪魔の毒々モンスター」を思わせますが、キャメロンとは何の関係も無いですし。

後半は海辺のパーティーに殺人魚が襲い掛かるところが見所ですが、さほど盛り上がりません。主人公達が銃で応戦したりすればキャメロンらしいのですが。

主人公の息子とか、活躍するかと思ったら船で寝ているだけでしたし、どうも消化不良な出来ですね。殺人魚はドチープですが、特殊メイクは良く出来ているし、面白くしようと努力した跡は見られます。それがうまくいかず、監督には悔しい思い出が残っているのでしょう。