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サイレン 耳について離れないあのサイレンの音

最近観た邦画ホラーの中では一番印象に残っている映画です。舞台は孤島。昔、謎の凄惨な集団殺人があったという設定からして気味悪いです。その島へ心の傷を抱えた少女がやってきて、不気味な言い伝えや住人たち、不審な出来事に巻き込まれていく的な内容でした。

ごく普通の島の風景、癒し系の島の生活がしだいに奇妙な違和感を発し始めます。その疑惑に不安が募っていく主人公の心境に、観てる自分も何度も同じ感覚に引き込まれてしまいました。

そしてなんといっても作中に何回も流れるあのサイレンの異常な音ですね。あれが流れ始めると主人公じゃなくても心がざわつき始め、早く逃げて!!って叫びたくなります。サイレンが鳴ると出てくるゾンビのような集団がもう怖くてゾッとしました。無理って感じでした。彼女を助けてくれるキーパーソンたちが逆に襲う側になったり、父親までが真っ暗な家の中で彼女を殺そうと襲いまくったりで・・・とにかく主人公がギリギリの線で逃げおおせるまでハラハラし通しです。

またホラーだけではなく、弟を必死で救おうとする家族愛みたいなのが主人公の根底にありその悲しさが全編に漂ってて涙を誘います。それがまさかの大どんでん返しにつながってるので最後まで目が離せませんでした。現実なのか錯覚なのか、気をつけないと自分もすでに術中にハマっていたみたいなことになるかもしれません。

ゲーム由来の映画ならではの独特な世界観がありますが、陰湿な昔話が現実の悪夢へ変化するという「あったら嫌だな」と思わずにはいられない映画でした。観終わった後もしばらくサイレンの音が頭の中で鳴り響いてました。