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エクステ 園作品はなんかクセがあってちょっと・・・という方にも大丈夫

「冷たい熱帯魚」「奇妙なサーカス」あたりで「うっひゃー園監督の映画ってなんかクセが強いわー」と思って避けているような方にも安心、園色のそんなに強くないスタンダードなつくりのホラーです。

かといって、安っぽいVシネマのホラー作品というわけでもなく、悪の元凶の大杉漣演じるおっさんの尋常じゃなさっぷり、娘を虐待する母親といった人間のエグみを濃くしたようなキャラクターはやっぱり園監督の手によるものだなあと思わされます。

罪もない人もガンガン死んでいきますが、この母親が死ぬときは実に爽快でございました。部屋が髪の毛でうずめられてジャングルみたいになるシーンといい、「これは怖がらせようとしてやっているんだろうか?」という箇所が多々見られます。これは監督がホラーという皮をかぶらせて出した、本来はギャグ作品なのではないかと思うほどに。

深くテーマを探るとするなら、先にも述べましたが原因となっているのはむしろ犠牲者である少女なのだけれど、災いをもたらしたのは一人の男の歪んだ偏執によるものなのです。彼にしたって、別にいっぱい人を殺してやろう、なんて思ってやっていない。自分のエゴを満たすためにやっているだけで、それが結局災いを生んでいるわけです。それは善なものではもちろんないけれど、決して誰かに向けられた悪意でもないというところが性質が悪い。

ラストもすっきりと終わっていて、めでたしめでたしというところです。ホラーを観て怖がりたい! という人には手ごたえがないかもしれませんが、作品としては楽しめます。