戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版 ホラーという枠を突き抜けたメタホラー

かなり人を選ぶ作品ではあるのですが、たぶんこれを観るような人は「コワすぎ!」シリーズを制覇して満を持してこれを観るのでしょうから、問題はありません。DVDのレビューなどでも回を重ねるごとに評価が上がっていきますが、これはクオリティが上がっているというよりもフルイにかけられた精鋭(変わり者)たちが残っている結果なのでしょう。

私もその精鋭の一人ではあるのですが、ここまで達すると工藤D(主人公です)の一挙手一投足が面白くてたまらない。「海外だよ! 海外!」とか言ってるわりにはDVDに英語字幕はない。勢いで重要人物の家に乗り込んでいくのに躊躇もなく土足でそれだけでも面白い。門くぐるときからすでに金属バット持って臨戦態勢ですし。

とはいえやはりそこまでの域に達するにはシリーズを経てくる必要があるでしょう。いきなりこれを観てもなんじゃこれは、だと思います。低予算であることを繕いもしないPOVでの撮影、監督が大部分自分で普通のパソコンでやっているらしいVFX、キャストの顔ぶれも特に有名な俳優が出ているわけでもない、トンデモな展開(え、そんなことになるの? とポカーンとすることシバシバ)。

なのでいきなりこの作品を観るより、やはりシリーズ1作目をパッチテストとするのがよいでしょう。そこで笑えた人(怖かった、ではない)は合格です。シリーズを走破してこの作品も腹抱えて笑いましょう。

いちおう工藤Dの過去なども描かれてストーリー的にはターニングポイントではありますが、規模がとことん広がってしまったので次からどうするのやら・・・。

これはクソだ! しかしどでかいクソは笑える! ということなのだと思います。