狼男というと世界の3大モンスターの中ではドラキュラ、フランケンシュタインに比べ、若干影が薄いなあ、という印象。
とはいえ容姿のインパクトは充分、そのネタの大きさを生かした、というか、狼男映画というだけではなく、コンテンポラリーホラーの特殊メイクでは金字塔ともいえる「狼男アメリカン」を手がけたリック・ベイカーが、この映画も担当。更に進化したモンスター・メイクの醍醐味を”これでもか”というくらいに堪能させてくれる。
ウルフマンへの変身シーンは圧巻です。
映像の見事さはそんなわけでもう文句は出ないが、ストーリーとしてはどちらかと言うとオーソドックスな”狼男”ストーリー。ヘタに”狼男の起源は?”なんてところに触れなかったところが、この映画の良さなのかもしれない。
名優、ベニチオ・デル・トロは、どちらかと言うと派手さよりも堅実さ、玄人好みの印象もあってか、劇中の雰囲気が余り派手でないところにピッタリフィットしている感じだ。元々の素顔も”狼男的”なところが合っていたのかもしれない(笑)
それだけに、アンソニー・ホプキンス男爵の中途半端な存在は残念、もっと彼ならではの異色の雰囲気を生かした面白い展開も出来たのではないかとも思えたが...
何にしろ、”狼男”という、歴史上では非常に曖昧で取り扱いにくい題材に挑戦するという姿勢は強く感じられ、エンターテイメント路線のドキドキ感は少ないものの、非常に見応えのある作品だ。
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