とにかく無駄なシーンが多い。というより長い。グロテスクなシーンであればあるほど、とにかく長い。ここはかなりマイナスです。
ちょっと良いと思ったシーンがあって、終盤で、「誰もが同じ事で興奮するとは限らない。」みたいな台詞があって、ネクロフィリアの人間の魂の叫びというか、遠回しにそれを男に告げる所からして、この女はよっぽどの覚悟と、男との未来を期待して出た言葉なのかと解釈し、心の揺れ動きが観れて、良いと思ったんですけど、監督はこのシーンを全然大事にしてくれませんでしたね。
というのも、話は全然違う方向に行くと言うか戻るし、女の台詞のようで、所詮は監督の言葉なんですよね。だから全然話が広がらない。そういう性癖を持ってしまった人間の孤独感や葛藤みたいなものが観たいんですけど、全体的にネクロフィリアの行動や欲望を描くだけで、観たい所を全然映像化してくれませんね。この映画の敗因は多分、如何にネクロフィリアを“表現”するかの一点にしか絞っていないからだと思います。
前作の兎の解体だと生ぬるいとでも思ったのか、今回は本物のアザラシを解体しますが、劇中それを見るネクロフィリア達は、もはや人間ではないんですよ。全員薄気味悪い感じに黙り、まるで宇宙人に乗っ取られた人間のようで全然人間らしさを感じない。ネクロフィリアだって人間なんです。それを怖がらしたいのかなんなのか、完全におかしな事になってしまっている。つまらない演出しているなと思いました。
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