地獄のモーテル かなり難しい事に挑戦している

異質な映画ではありますが、カニバリズムものの良さを生かしきれていない。このモーテルで大人気の自家製ベーコンの原料が人肉で、それを調達する為に人間を家畜にして、ベーコンを製造しているとあらすじですが、その人肉ベーコンの気持ち悪さ、知らずに食べてた人間がとうとう知ってしまうみたいな、人肉を食べるという気持ち悪さがこの映画にはとにかくない。

どちらかというとこの映画は、そういう所よりも、人肉の製造過程で見せる映画なのはわかります。だからモーテルに泊まりにくる人間を殺したり、交通事故に見せかけて殺したりして人間を調達する。いやそこはわかります。ただ、それを家畜とかいって『ウルトラミラクルラブストーリー』みたいに地面に埋める意味がさっぱり理解できない。

首だけ出した状態で埋めて一体どうなるんですか。この映画ホラーコメディなんて言われてますが、もしここがコメディ要素なら☆は二つぐらいになります。土に埋めておかないと良い肉にならないというのでしょうか。いやそういう事ならまあファンタスティックで良いと思うんです。

でも理由が一切ない。面白い画だったのでイマイチちゃんと描かれていないのがなんかもったいない。ここは客の想像に任せる必要ないでしょ。

ただこの映画、かなり難しい事に挑戦しているのは好感が持てる。結局主人公はこの殺人農夫ですからね。畑に埋めてた大量の人間達が逃げ出し復讐するシーンも、彼らが被害者なのにも関わらず、この映画はゾンビのように描き、殺人農夫に襲いかかる。これは新鮮でした。