ハロウィン ロブ・ゾンビも所詮は人の子

良くも悪くも、この人の好き勝手に撮るスタンスが好きで、観てみましたが、ロブ・ゾンビも所詮は人の子ですね。

序盤のマイケルが少年期の頃は、監督自身の”一般人は殺人鬼には勝てない”という持論を展開していて、らしさはあったんですけど、なんか犠牲になる人間が露骨に悪なんで、殺す人間の方が正しいみたいに撮っちゃってるのが鼻につきましたね。

周りがどうしようもない人間だらけで、もはや殺人を応援しないといけないというか、殺人鬼から逃げるというハラハラ感はまるでないですよね。基本的に序盤は殺人鬼目線で話は進んで行きますから。”テキサスチェーンソー・ビギニング”なんかもそうなんですけど、私は好きになれませんね。

要は、マイケルの殺人鬼になって行く人格が形成されて行く時期で、不幸な環境がそうさせたやら、マイケルは可哀想な境遇に生まれて来たんだみたいな事が言いたいんでしょうけど、殺人鬼目線という一見客を突っぱねた撮り方しているんですけど、周りが分かりやすいぐらい露骨に悪なんで、所詮は一般大衆向けに感じるんですよね。となると凄い説得力に欠けるんですよ。マイケルにとってターニングポイントになる時期なんで、ここはもうちょっとシビアになった方が良かったのかもしれません。

後半はとにかく酷いですよね。単なる王道ホラーというか、らしさもないし、王道のわりには殺人鬼が出突っ張りなんですよ。もう主人公と同じぐらい出てるんじゃないですか。”見えない怖さ”みたいなものがまるでない、殺人シーンが多いのも、所詮はワーキャー言わせる為に作った商業映画なんですよね。