コリン LOVE OF THE DEAD 強引な構成が非常に潔くていい

超低予算ホラーというのも、一つのカテゴリと化しつつあるようだ。このハシリは、「ブレアウィッチ・プロジェクト」あたりか?いや、その前から元々ホラーは作品として認められる基準が厳しくもあり、中々大金額を掛けられないという宿命は引きずりながら細々と、辛抱強く引き継がれていってたと思われる。

が、それを逆手に取り、「低予算だけどスゴイ」「表現に金額の高さなんて関係ない」「むしろこの画像のチープっぽさが雰囲気にマッチしている」と、いい方向に向けているところが面白い。決してお金を掛けることが悪いことではないが、D.I.Y.精神タップリ、この方向にも新鮮味があり、”次はどんなのが来るか?”と、楽しみな感じもしている。

さて、この作品も例に漏れず低予算。が、宣伝謳い文句の”45ポンド(6千円)”はあまりにも”ゼッテェ〜ウソだ!”と言われんばかりに、結構な数のゾンビが登場、いくら安上がりに作ったとしても、これだけメイクしただけで結構な実費が掛かり、”経費で6千円なんてあっという間に飛んでしまうよなぁ”という感じだが、まあ制作予算の話はあまり突っ込まないことにして。

ゾンビ映画に付き物の課題”ゾンビが出来る経緯”は完璧にすっ飛ばし、”なんでこんなストーリーになってしまったんだろう?”と思わせない強引な構成が非常に潔くていい。また、ゾンビ映画は誕生からそのメーキャップの出来の良さが作品の出来の良さを左右する、と言っても過言ではなかったが、そこを作りこまなくても”怖い!””痛そう!”とか思わせる演出が素晴らしい。