ミラーズ ドンデン返し的な展開

ドンデン返し的な展開ってこういう物語にはほとんど不可欠な要素ですよね。

大抵「不思議なこと起こるなーと思ってたら俺が狂ってたんでした」構造のオチになるか、そうでなければ「幽霊か悪魔の仕業だった」というテンションでそのままやりきる構造のオチになるか。

要は劇中の主題になる不思議に“シテ”が存在するかどうかというところなんですけど。“シテ”がいるなら、犯人なり幽霊なりと対決することになるし、いないなら「妄想」という結論が出て終了。

「妄想ではないんだけど“シテ”の存在も不明」というパターンもありますけどね。でもそれだとあんまりスッキリしないんで、「不思議」をフィーチャーしたい場合は不向きです。なのでこの場合はどちらかというと「不思議」そのものよりも、それによって発生した非現実的な状況下における「人間模様」に主題がいったりする。

だから大概は二択なんだと思うんですよ。第3の道を選ぶと話が膨らんでしまうし、けっこう組み立てがめんどくさいんだと思います。

なので『ミラーズ』も、借りてみたはいいけど二択のどっちかなんだろうな、と。

構造的には結局のところ先の二択のうちの前者にあたるんですけど、「怪奇現象→精神病」じゃなくて「精神病→怪奇現象」なんですね。なので「主人公狂ってんのかな?」からひっくり返って「悪魔でした」に落ち着くんですけど、その運び方が結構ウマくて、観てて飽きなかったです。

二択しかない中で飽きさせない作り方をするというのはすごく難しいと思うんですけど、そこに成功してるのがスゴイなと思いました。