タイトルバックだけ観ると『ドッペルゲンガー』と『アカルイミライ』が同じ監督の映画だとはとても思えないですね。
話としては相変わらず難解というか、ひょっとしてもう深い意味とかないのかなとも思うんですけど、でもやっぱりおもしろいです。ふたつの境界が曖昧になっていく過程というか、そういうのがいろんなところに孕ませてあって良かったです。
西島が殺したのかトヨエツが殺したのか、っていうのが回想と妄想の曖昧さを縫って語られていくところとか、主役二人のラブストーリーがどんどん小説じみたセリフにとって替わられていく感じとか。これは現実世界で生きるか虚構の世界で生きるか、みたいなことにもなっている気がしておもしろかったです。
オチだけ妙に計算された感じというか、“元からココだけ出来てた”って感じがしてちょっとイヤでした。安達祐実がもう片方のロープに繋がってるのはもう誰でも想像つくわけですから、敢えて見せないでもよかったんじゃないかなあって思うんですよね。
トヨエツの処理まで一気にやってしまうっていうアイディアは確かに笑えて、まあだからおもしろいのはおもしろいんですけど、予想通りすぎてイマイチでした。
二人があそこで一旦表面上「自由」を獲得してしまって、そのまま虚構くさい掛け合いをしたまんま終わった方が気持ち悪くて良かったような気がします。
それはそうと、そういえばこの映画では意外にもジャンプショットが多用されてて、しかも結構効果的だったので、そこも好きでした。
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