キャリー 暗い青春時代

前々から気になっていたので、週末に鑑賞しました。

キャリーの悲しすぎる青春を描いた作品。

このくらいの年ごろの女の子のパワーが

炸裂している映画ですね。

全体を通して感じたのは、

行き場のない感情に折り合いが付けられなくて、

声にならない声で叫び続けているような少女たちの心と、

手におえない「女性のマイナスな感情」が根底にある、

ということです。

娘を思い通りに支配しようとするキャリーの母親も、

正義感の強すぎる女教師も、

異常な仕返しをするクラスの女子も、

罪滅ぼしのためなのか、恋人を「貸してあげる」幼馴染も、

狂気を爆発させてところかまわずぶちまけるキャリーも、

女性の持つおどろおどろしい感情を象徴するような

登場人物ばかり。

男性たちは女性のいいなりだったり、蚊帳の外な印象でした。

一番観ていてきつかったのは、

キャリーと、キャリーを叱る母親のシーン。

閉ざされた世界で、子供の心をズタズタに傷つけて

支配しようというあのシーンは、胸が締め付けられます。

あんな風に叱責される理由なんてどこにもない、

きっと心の奥底では感じていることでしょう。

でも母に愛されるためには、望む通り振る舞うしかない。

その痛々しいせめぎあいが

ひしひしと伝わってくるようでした。

それにしても仕返しとはいえ(しかも逆恨み的な)

あんな方法をとるなんて、考えることが恐ろしすぎる!

そんなことに多大な時間と労力をかけるくらいなら、

一度しかない青春時代を楽しめばいいのに!

人間はホラーそのものだなと感じた映画です。

あと、ラストシーンには本気でビビってしまいました。