死霊のはらわた 2 逃げ場のない恐怖が恐ろしい

死霊のはらわた2の何が怖いって逃げられないことへの恐怖です。もちろんホラー映画はどこへ行っても追いかけてくる、または限られた空間での恐怖を描いた作品が多いですが、特にこの映画は山奥にある小屋で起こる恐怖なので、本当に恐ろしいのです。小屋から逃げ出そうとしたところで、どこへも逃げることができず、誰にも助けを求めることが出来ない状況というのは直接的に怖いことが例え起こらなかったとしてもかなり怖いシチュエーションです。

また主人公に襲い掛かってくる死霊たちが、本気で殺しにかかるのではなく、どことなくからかっている感じなのがより恐怖を誘います。映画を見ながらもういっそのこと息の根を止めてくれればいいのにと思わず感情移入しすぎてしまいました。

主人公がどこか情けない感じなのも恐怖を助長させます。強そうに見えないので、やられちゃうのではないかとドギマギしてしまうのです。

血の描写もグロテスクで、大量に噴出すシーンがあるのですが、その血の真っ赤さに私は空恐ろしい気分になったものです。

この映画が出来た時期はCG技術もなかった頃なので、出てくる死霊たちやグロテスクなシーンが妙にリアルだったのです。CGのようにキレイな映像ではないからこそ、映像の質感がおどろおどろしく、内容にピッタリとマッチしていました。

昔の映画なので全体的に古臭い感じですが、その古臭い感じが恐怖を助長させてくれるのです。この映画はスプラッターホラーですが、そこまでえげつないシーンがないので、本当にじわじわと恐怖が襲い掛かってきて、とても良い映画です。