恐怖 サイコにしたかったのかオカルトにしたかったのか

『女優霊』や『リング』で脚本を担当していた高橋洋氏の監督作品です。この二作品はやっぱりJホラーの傑作だと思うし、タイトルもシンプルだから期待しちゃうじゃないですか。

しかし結論から言うと怖くない。

この映画の最大の欠点は、やはり方向性がはっきりしなかった点だと思う。サイコにしたかったのかオカルトにしたかったのか。おそらくその二つの要素を上手く組み合わせたかったんだと思うけど、残念ながら観る方にはとっ散らかった印象しか与えなかったような。時間軸もやたら交差させまくってるので、それに着いてくのが精いっぱいで怖がる暇がない。理解できれば怖いのかもしれないけど、ストレートに理解させることができなければダメだと思うんだよね。「Jホラーの最終章」とか無駄に上段に構えた宣伝文句も、自らハードル上げ過ぎちゃった感が強い。

開頭手術の映像はちょっとグロめ。髪剃らずにいきなり頭開けちゃうんだねw 頭蓋骨にドリルや電ノコ入れる音は生理的にややきついかも。歯医者が怖いのと同じ感覚だ。

開頭手術を施した彼らが観る映像はイマイチ感漂うな。サイコかオカルトかはっきりしなかったせいで印象は薄くなる。

主演の藤井美菜はなかなかの美少女。首筋の黒子がなんかエロい。おっぱいは皆無だけど。その姉役の中村ゆりもなかなかの美人。そして本作のキーキャラ間宮悦子役の片平なぎさは、若干演技が鼻に付くのが残念。これは演出側の責任だと思うんだけどね。これまた素材を生かしきれてない感じが強いな。