主人公カレン(イロナ・エルキン)はとある病院の看護師。職場の同僚だったヴィヴィアンが地下鉄に飛び込んで自殺したり、駅構内でウザイ男に絡まれたりでかなりテンションは低め。しかも乗った終電が突然謎の急停車(ちなみにさっきのウザ男の仕業)。しかもなんか悪魔か霊かの幻覚が見える始末。お疲れのようですね。
そんな中、車内にいる幾人かのポケベルが一斉に鳴り響きます。メッセージを見た彼らは突如十字架を模した短剣(一人長剣もいます)を手に、他の乗客を次々に殺害し始めた!そう、彼らは謎の新興宗教団体「希望の声」の信者たちだったのです。
カレンたち生き残った数名は、何とか地下鉄の制御室へと逃げ込むのですが・・・
開幕のカレンの幻覚のシーンでいきなり「ひぃっ!」と声が出そうになりました。これで掴みはOK。そしてその後も全く結末の予想がつかない見事な衒学ホラーに仕上がってます。
問題の敵を、見た目は一般市民の新興宗教信者にしたのがまず面白い。『20世紀少年』でも似たような展開あったよね。殺しに手馴れてない感じが逆に怖いぞ。逃げるPTの前に現れる狂信者が年端もいかない兄弟だったりして、殺す気満々だったのに判断鈍るのも辛い。日本だと地下鉄サリン事件辺りを思い出したりもして、なかなかリアルに恐怖を覚えるのではないでしょうか。
地下鉄駅構内という閉鎖的な環境に主人公達を置くことで、彼らが異常事態の全容をなかなか把握できないのも怖いぞ。『ドラゴンヘッド』みたいな。おそらく低予算で撮られた作品ですが、アイデアでそのハンデを逆手に取った感じ。
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