ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記 イメージを損なわないクラシカルな作り

本作の監督はトム・サヴィーニ。ロメロ版のオリジナルとは一部相違もありますが、極力イメージを損なわないクラシカルな作りになってます。

ゾンビというモンスターの特性。それはやはり緩慢な動きながら圧倒的な数量で攻めてきて、しかも人間の肉を喰らう点。単体なら何とか凌げるんだけど、ワラワラ湧いてジワジワ包囲されて、というのが怖いんだよね。しかも噛み付かれたらゾンビ化しちゃうし、ゾンビ化しなくても生きながら引き裂かれ喰われる、と。

敢えて原点回帰した本作の作りが、こういったゾンビ本来の恐怖特性を上手く引き出してます。意外とグロ描写はあっさりめなんだけどね。元々ロメロのオリジナルもグロは重視してなかった気がするしな。

そしてゾンビをグロく描かない代わりに人間の醜さは露呈される。ゾンビが襲ってきてるのにエゴばかりで足並みの全く揃わない登場人物。ガソリンスタンドについつい松明持ち込んだり発砲したりという頭の悪さ。そして生き残ったバーバラの前で展開される、死者を冒涜するかのようにゾンビで遊ぶ人間たちの姿。実はロメロがこの作品で訴えたかったのは、こういった人間の愚かさなのかもしれないですね。

オリジナルとの一番大きな相違点は、主人公の女性バーバラ(トニー・トッド)のキャラクター。オリジナルではひたすら怯えてるだけだったんですが、本作では徐々に闘争心が剥き出しに。戦う女は美しい、とはあんまり私思わないんですけどね。