ダイアリー・オブ・ザ・デッド さすがはロメロ

この巨匠にしてこの低予算かい!っと思わずツッコミたくなるぐらいのB級の印象でしたね。

まぁ、B級作品は嫌いじゃないし、B級作品はB級なりの楽しみ方ってのもありますし…何も考えずにダラ〜っとね。

でも何だかんだと言っても、さすがはロメロ!

『ブレアウィッチ』や『クローバーフィールド』でお馴染となった、手持ちカメラで取り続ける手法でゾンビ映画をヤッてしまうなんて。

まぁ、その効果もあって生々しい映像が展開されてはいるものの、ちょっと臨場感には欠けていたかな。

この作品は、ゾンビがメインというよりも、この学生達に重ねて社会を風刺するって感じの作品だったように思いました。

事故現場や戦場に赴き、目の前で苦しむ人を助けるのではなく、「真実を伝える」とかいうエゴに駆られて、感違いの使命感を持ち傍観者となる現在のメディアを痛烈にヒニクった構成になってますよね。

目の前で友人が殺されそうなのに、記録に残すためとファインダーを覗き続ける主人公。『危ない!』と言いながら助けることなくカメラを回す主人公…あれほど『こんな時に、カメラを回すな』と言ってたヤツらが、カメラを持つとけっきょく『はい、アクション』みたいな。

一方で、テレビからは嘘ばかりが流れる中、YouTubeには一般人から寄せられた真実(衝撃映像)や嘘の情報が氾濫してしまい、ますます混乱してしまうといった、個人がネットを使って発信する情報が「メディア」を超える現代の危うさも描かれてましたよ。