MAY-メイ- 一緒に生きて、私に触れて

主人公のメイは動物病院で働く女の子。幼少時代に片目が斜視だったことから友人が作れず、大人になった今でも上手く人とコミュニケーションが取れない。心の拠り所は洋服作りと両親に子ども時代にプレゼントされたスージー。

そんな彼女にある日、気になる男性ができた。名前はアダム。

恋なんてしたことない。アプローチの仕方なんて分からない。でも好き。特に彼の手が。

不器用なメイは彼女なりのやり方で懸命にアタック。そして、ある日なんと彼から話しかけてもらうことが出来たのだ!

・・・前半のあらすじだけ見ると甘酸っぱいラブストーリーにしか思えないが、これはホラーだ。しかもとても悲しい種類のだ。

そもそもメイのアプローチというのがアダムを待ち伏せしたり、彼の部屋のドアの前で何時間も立っていたりとそういった類なのだ。彼女には人間の友達がいなかったために適切な距離の縮め方を知らないのだ。

そして二人の関係はキスまではなかなか順調(?)だったがメイの変人ぶりにアダムは徐々に距離を取り出す。

飼っていた猫も、メイに好意を示してくれた同性の職場仲間もいなくなり(これはメイがそう感じただけかもしれない)、極めつけに友達のスージーも壊れてしまう。

メイは打ちひしがれる。どうして誰も私のそばにいてくれない?どうして私に触れてくれない?

そして彼女はある行動を起こす。そこから先こそ、この映画のホラーたるメインだ。

彼女が何をしたのかは作品を鑑賞して確かめるべし。怖いぞメイ。

最後に彼女は自らの血を流し、目的を達成した。あれは救いだ。

メイをヤンデレとする意見もあるだろうが、そもそもメイは相手の人間性を真に見てはいない。彼女が愛したのは彼ら彼女らの美しいパーツである。

メイの奇妙さと天然さのすれすれに立つ可愛さが分かるなら、彼女を好きになるかもしれない。作品中で自作する衣装も可愛かった。