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スリーピー・ホロウ 主人公が何もしない映画

ジョニー・デップ演じる捜査官の性格描写が微妙だった。神経質な感じを出すために、ジョニーがする目の演技が何度も繰り返されるだけで、コミカルな部分のはずなのにまったく面白くないし、すぐ飽きた。

ティムがアニメーター出身で、ジョニーの演技も、アニメ的演出なんだろうけど、ただの痙攣に似て、見てるほうとしてはドン引きだった。

実写でアニメをやるというのは、あまり感心しない。

ジョニーが、一応科学的な手法を用いて事件にアピールしているという設定だが、結構ずさんで、しかも持ち出すガジェットのデザインがダサくて毎回役に立ってない。客を笑わせようとしたシーンだが、その描写のせいで前半ジョニーは聞き込みも現場検証も何一つできていないという印象を持った。

一方、村人は「魔術だ、魔術だ」と騒ぎ、ヒロインが魔術書を所持していることが序盤でわかるのに、後半までジョニーはそれに触れない始末。

このへんの流れで、何これ、サスペンス?ファンタジー?ホラー?と混乱した。

最後、今まで、ろくに描写されなかった犯人が急に存在感を増し、複線をすべて回収したとき、事件の流れを一応は理解したが、まっとうなサスペンスならジョニーが全部やることだし、その供述がじみすぎて魔法といった世界観がなければ見れたものじゃなかった。

ジョニーが玉の輿にのる逆シンデレラ的結末にわかるように、主人公が何もしない映画で、見た目が美しければいいという不愉快な映画だった。