"1976年に作られた映画です。小学生の頃テレビで放送されているのを見て以来、人生で一番忘れられない映画となっております。もちろんトラウマ映画として。今の40〜50代には、この映画によって恐怖というものを教えられたという人が、数多くいるのではないでしょうか。
いつもクラスメイトたちからいじめられている、冴えない女子高生のキャリー。彼女は狂信的なキリスト教信者の母親からも過剰に抑圧され、出口のない日々を送っています。感情は内向しマグマのように静かに溜まり続け、そして行き過ぎたいたずらが仕組まれたプロムパーティー当日、ついに彼女のパワーが爆発する——。
とにかく恐ろしいです。物理的に怖いだけでなく、キャリーをとりまく鬱屈した環境に、見ている方も心臓が絞られるように感情が内向し、怒りが爆発するシーンは自分が爆発させている感覚を覚えます。
名画だけあって昔はテレビで2年に1回くらいも放送され、ストーリーも山場も全部知っているのに、放送されるたびに見ずにはいられませんでした。最近は衛星放送が普及したせいか、まったく地上波ではお目にかかれません。
キャリーを演じたシシー・スペイセクという女優が、じつに冴えない女子高生そのものという顔をしていて偉いです。こんなお話に、いじめられるわけないだろとツッコミを入れたくなるような可愛い顔の女優を使ったら、一気に画面が嘘くさくなります。
最後に忠告をおひとつ。ラストまでけっして気を抜いてはいけませんよ。
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