死神とは、命の死を司るとされている伝説上の神である。
世界中で、類似した伝承がある。
『日本での死神』
仏教では、死にまつわる魔として「死魔」がある。これは、人間の気分を惑わし、死に追いやる魔物で、これに憑かれると、衝動的に自殺したくなると言われ、そのため「死神」と説明されていることがある。
冥界の王とされている閻魔や、牛頭、馬頭などの鬼も、死神の類とされることもあるようだ。
日本神話においては、イザナミが、人間に死を与えたとされており、イザナミを死神とみなすこともあるとある。
しかし、日本では、西洋の神話のような死神とは異なるという解釈もあり、仏教では、死神という概念はないのではないかという見方もあるようだ。
『西洋での死神』
死神の姿といえば、西洋でいう、黒いボロボロのローブに、巨大な鎌を持った、人間の骸骨のような姿で描かれている。
現代の日本でも、この姿がメジャー化していると思われる。
ほかにも、完全に、白骨化したような馬に乗った状態の姿もある。
足が見えなく、宙に浮いている状態のものが比較的に多い傾向にあり、黒い翼を生やした姿の場合もあるようだ。
死神の大鎌は、一度振り上げ、振り下ろすと、必ず何者かの魂を奪うとされている。
死神は、基本的に、悪のような存在として表現されているのだが、死神には、『最高神に仕える農夫』という異名もあるようだ。
この場合は、「死を迎える予定の人物が、魂のみの姿で現世を彷徨い続け、悪霊化しないようにする為に、冥府へと導いていく役割をもっている」と言われている。
基本的に、この役目を持った死神の話が主流なのではないだろうか。
死神の姿は、このように禍々しい姿で描かれている。それは、死神は死というものを擬人化したようなものと言える。
神話や宗教によっては、姿などの表現がだいぶ変わる。白骨した姿とはまったく違う表現でデザインされることもある。
『宗教や神話での死神』
神話では、死神の存在を組み込んでいる事が多い。人間における「死」とは、「誕生」と同じように重要な位置といえるだろう。
性質上、死神は悪のような存在で認識されているのだが、宗教の中では、死神はほとんどの場合、重要な神の一つとされており、最高神、またはそれに次ぐほどの高位の存在の場合が多く、崇拝の対象となっている宗教すらあるようだ。
しかし、その場合は、死神を崇拝すると言っても、認識に違いがあり、「絶対的な力をもつ神」の能力の一つに「生命を操る能力」があるなど、邪教崇拝だけとゆうわけでもない。輪廻転生に関連付けられている地域などでの死神は、死と再生の神々として捉えられている事もあるようだ。
『キリスト教での死神』
キリスト教の場合は、神は、唯一神以外存在しない。
よって、実際に生命に死を知らしめて、それを執行するのは天使である。
このために、キリスト教では、死神という存在はいないが、悪魔は存在するという。
黙示録によると、「第4の封印」を開けた時「剣と飢餓を持って青ざめた馬に乗った死という者」がやって来ると記載されている。
これは、神によって遣わされた存在であるようだ。
『神話や宗教の死神とされるもの一覧』
キリスト教=サリエル
アステカ神話=ミクトランテクートリ、シペ・トテック
イスラム教=アズラーイール
ウガリット神話=モート・ホロン
エジプト神話=アヌビス、オシリス、セケル
ギリシャ神話=タナトス、ハーデース
スラヴ神話=チェルノボグ
日本神話=イザナミ
ヒンドゥー教=ヤマ
北欧神話=オーディン、ヘル、ワルキューレ
マヤ神話=ア・プチ、イシュタム、フン・カメーとヴクブ・カメー
メソポタミア神話=ネルガル、エレシュキガル、ナムタル
ローマ神話 =モルス、プルートー、オルクス
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