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鬼火とは、人間の魂が出たものや、人間の怨念が火となって現れたものと言われている。
海外で言われている、、ウィルオウィスプや、ジャックランタンも、日本語では鬼火と称されている場合がある。

江戸時代に記されたとされる『和漢三才図会』による鬼火は、たいまつの火のような青い光であり、いくつにも散らばる事もあり、複数の鬼火が集まるなどし、生きている人間に近づき、精気を吸い取ってしまうとされている。
見た目は基本的に、青色が多いが、青白、赤、黄色のものもあるようだ。
人間と同じ程度の大きさのものもあれば、数メートルの大きさのものもあるとされる。
出現の仕方はさまざまで、1~2個しか現れないこともあれば、一度に数十個も現れるという・・時には、数え切れないほどの鬼火が、消えたり燃えたりを繰り返す事もあるという。
出没時期は、春から夏にかけての時期が多いようだ。そして更に、雨の日に現れる事が多いという。
出現場所は、水辺のような湿地帯や、森、草原、墓場などなど、自然の多い場所に現れる事がおおいようだが、まれに街の中にも現れるという。
鬼火は、見た目通り、熱いのかとおもいきや、熱を感じないものもあるという。しかし、火と同じように、物を燃やしたりする事もできてしまうようである。
『鬼火の種類』
鬼火と考えられる怪火は、さまざまあり、不知火、小右衛門火、じゃんじゃん火、天火といった鬼火がある。
狐火も鬼火の一つとみなす説もあるようだが、厳密には鬼火と異なるのではないかという意見もあるようだ。
『鬼火の種類一覧』
遊火(あそびび)=高知県高知市に出るとされる鬼火で、城下や海上なのに現れるという。すぐ近くに現れたかと思えば、遠くへ飛び去ったり、分裂しては、元に戻りを繰り返す。人間に危害を加えるなどの話は特にないのだそうだ。
いげぼ=三重県度会郡での鬼火の呼称である。
陰火(いんか)=亡霊や妖怪などと一緒に出現する、ごく一般的な鬼火。
風玉(かぜたま)=岐阜県揖斐郡揖斐川町で出現したとされる鬼火。暴風雨などが発生した際に、球状の火となり、現れるという。
大きさは、器物のお盆程度で、明るく発光するのだという。明治30年頃の大風の時には、ヤマからこの風玉が出没し、何度も宙を漂っていたのだそうだ。
皿数え(さらかぞえ)=鳥山石燕による『今昔画図続百鬼』に登場する怪火。
怪談で馴染み深い「皿屋敷」のお菊の霊が、井戸の中から陰火となって現れて、皿を数える声が聞こえてくる様子を描いたもののようだ。
叢原火、宗源火(そうげんび)=同じく、鳥山石燕による『今昔画図続百鬼』に登場する京都の鬼火である。
かつて、壬生寺地蔵堂で盗みを働いた僧侶が、仏の罰を受け、それが火鬼となったとされる。火の中には、僧の苦悶の顔が浮かび上がっているのだそうだ。怪談集『新御伽婢子』にもこの名があるようである。
火魂(ひだま)=沖縄県での鬼火で、普段は、台所の裏にある火消し壷の中に住んでいるとされている。
鳥のような姿になって空を飛び回り、物に火を付けたりするのだそうだ。
渡柄杓(わたりびしゃく)=京都府北桑田郡知井村(のちの美山町、現・南丹市)に伝わる鬼火。山村に出没し、青白い火でふわふわと宙を漂う。
柄杓のような形と言われているが、実際に柄杓の形なのではなく、火の玉が細長い尾を引いて飛んでいるように見えるところから柄杓に例えられたとされる。
狐火(きつねび)=様々な伝説を生んできた正体不明の光。水戸の更科公護によれば、川原付近で起きる光の屈折現象なのだと説明をしている。
『鬼火の正体?』
いろいろな説があるが、最近では、科学的な面でいろいろ考察されている。
たとえば、人体に含まれる「リン」が、死体が分解されていく過程で、発光する現象という説。
もう一つは、プラズマによる発光現象だという説である。
どちらにしても、結論づけることは難しいようだ。