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火鼠(かそ、ひねずみ、ひのねずみ)は中国に伝わっている怪物や妖怪の類の一種である。
火光獣(かこうじゅう)とも呼ばれることがある。
南方の果ての火山の炎の中にあるとされる、不尽木(ふじんぼく)という決して燃え尽きることのない木があり、その中で棲んでいるとされているようだ。
一説によると、崑崙(古代中国の伝説上の山岳)に棲んでいるとも言われている。
日本の江戸時代の百科事典『和漢三才図会』では、中国の『本草綱目』から引用しており、中国西域および何息の火州(ひのしま)の山に、春と夏に燃えて、秋冬に消える野火があるという。そこの中に、火鼠は生息していると述べられているようである。
火鼠の体重は、約250kgと、なかなかの大鼠で、毛の長さが50cmあり、その細さは絹糸以上に細いとされている。
その体は、火の中では赤くなり、外に出れば白くなるという。
火の外にでてきる時に水をかけられてしまうとしんでしまうという話もある。
『火鼠の毛で織った布』
火鼠の毛から織って作ったとされる布を、火浣布(かかんふ)と言い、火に触れても燃えることがなく、たとえ汚れたとしても、火の中に入れることで、また元の真っ白になる特別な布だという。
この火浣布とは実際は、鉱物性繊維の石綿であるとも言われている。
『隋書西域志』では、史国(中央アジアのオアシス都市)に「火鼠毛」が生まれると言われている。
史国は、現在のウズベキスタンのシャフリサブスにあった都市国家の事のようだ。
日本の『竹取物語』では、かぐや姫が、阿倍御主人に出したと言われる難題が「火鼠の皮衣(ひねずみのかはぎぬ、~のかはごろも)」である。
『竹取物語』では、火鼠の川衣は、インドの天竺産のものであるとされているようだ。
「火鼠の皮衣、この国になき物なり」『竹取物語』火鼠の皮衣
漫画では高橋留美子の『犬夜叉』では、主人公である犬夜叉が、火鼠の毛で織ったとされる赤い布を着ている。
『竹取物語での火鼠の皮衣の部分のみのあらすじ』
かぐや姫は、とても美しい女性だった。その美しさを耳にした男達が、かぐや姫を自分のものとしようと、プロポーズしてくるのだった。
しかし、かぐや姫は、結婚する気は、まったくなく、「私が希望する品物を持ってくることができたのなら、結婚してもいい」と言うのだった。
かぐや姫にプロポーズしてきた男の中の一人には、「阿部のみむらじ」という右大臣がいた。(右大臣は朝廷機関の職の一つ。要するに偉い人)
この阿部のみむらじに、かぐや姫は、「火をつけても決して燃えることのない『火鼠の皮衣』を持ってくるように言うのだった。
火鼠は、大陸の南方に生息するという火鼠を求めて
皮衣を探すために、阿部のみむらじは、中国の唐へ向かい、そこで、商人と話をし、商人は、火鼠の皮衣(それっぽいもの)を用意した。
阿部ののみむらじは、ようやくの事で火鼠の皮衣を手に入れることができた。
そして、かぐや姫の元へ、その火鼠の皮衣を持っていき、これを本物かどうかを確認するために、火をつけてみることにした。
しかし、その火鼠の皮衣だったものは、あっさりと燃えてしまったのだった。
この阿部の話を因んで、、やり遂げる事ができなかった事に対して、「あへなし」(敢えなく)というようになったのだという。
『火鼠関連の登場作品』
PSvitaからゲーム「討鬼伝」より
火鼠の皮衣が、アイテムとして登場している。
PS2から「無双OROCHI魔王再臨」より
火鼠の皮衣が同じくアイテムとして登場している。
などなど。