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不動明王ならば誰もが知っているが、その対となる鬼の存在を誰が知っていようか。
不動明王が怒りの炎ならば、有動暗王は悲しみの水。
黒い因果律たる不吉と不幸、何より博打を司り、歪める苦痛を愛する禍に酔った鬼。
バイラヴァ(恐怖すべき者)が産み出した大闇の一つであり、裏の仏を知り仕える者。
御姿は、世俗に流れる全ての涙である灰色の水を背後に溢れさせ、歪んだ角を生やし、舌をねっとりと出して口元を歪めて、閉じた四つの目に淫乱に走らせる妖乳。両足は毒々しく、大蛇ヴァースキの子供が這って時折陰の部分を舐める。六本指の三本の腕は禍々しい槍と鬼の骨で出来た玉からなる数珠を持ち、最後の一つで博打で使う壺を地面に伏せてる。
煩悩を深め冒涜に走らせる魂汚しの妖術に確率や運命を歪める力、数々の呪われた具物を遊び気分で使い、外道堂にも売り込む。 その中には、自分に刺せば怨念を増幅させ、膨大に呪いを放つ妖刀苦々連に、反魂の術に始まる死霊を操る外道白書という禁書に、時間や未来を殺す禍々しい槍凶冥、書いた呪詛、描いた妖怪を実在化する筆飢美などがある。
何より仏を嫌い、末法思想における最初にして最後の悪意。白法を隠没させ慈愛を嘲笑い、黒法の繁栄を謳歌し、黒魔術との会合をし這い寄る混沌との融合を開始し、生き残りを賭けた最恐の博打(つまりデスゲーム)をしようと企んでいる。