同じ集落の老人から聞いた話。
その人がまだ若い頃、持ち山でガンピの皮を取る作業をしていた時の話。
昼過ぎくらいだったという。
作業中に何気なく辺りを見ると、自分が刈った草の上に、何か生き物がいるのに気が付いた。
遠目では大きな野ウサギかと思ったが、近付いてみると全身ウロコに覆われているのが分かったという。
顔は蛇に似ているが、ずいぶんと大きい。
長さは1mいかないくらいで、太さが15㎝はあったという。寸胴で、短い尻尾がチョロっと生えていたそうだ。
その蛇はこちらを見据えたまましばらく動かなかったが、不意に水平に大きく跳ねた。
石が水面を跳ねるように、すごい速さで連続してジャンプし、あっという間に10mほど向こうの草むらの中に飛び込んだという。
慌てて追いかけたが、草むらの中には、すでにその蛇の姿はなかった。
その人は後になって、自分の遭遇した蛇が、世間で言われている“ツチノコ”と同じものだということを知ったそうだ。
その人の母親は、山で何度かその蛇を見たことがあるという。「あの山の主だ」と言っていたらしい。
「今でもたまに山を探してみるんだが、あれから一回も会えずじまいだ。捕まえる気はないが、写真くらいは撮りたいなぁ」と、その人は言っていた。
残念ながら、ツチノコと再会したという話は聞かないまま、その人は鬼籍に入ってしまった。
その山がどの辺りにあるのか、きちんと教えてもらわなかったことを後悔している。
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珍味様
怖い&コメントありがとうございます。
今やツチノコブームは過去のものですけど、どこかにいれば良いなぁと思っています。どこかで写真や動画で撮られれば、またブームになるかもしれませんね。
ツチノコの伝承は江戸時代くらいに遡るという話もありますし、我々の祖先から脈々と受け継がれているかもしれません。ありがとうございました。
◯十年前、自分がまだ若かりし頃に全国的なツチノコフィーバーが起きたのをまだ覚えてます。テレビや新聞というメジャーなメディアが一斉に取り上げてましたね。時間をおいて、定期的に起きるのをみてると、どこかで日本人のDNAに関わってるような気もしてきます。
鏡水花様
怖い&コメントありがとうございます。
岐阜かどこかで懸賞金をかけてましたね。昔は奈良にツチノコ共和国なるものがありましたが、今はどうなんやろ。。。
山奥でひっそりと暮らしていて欲しいと思います。
ツチノコ…確か、何処かの県にツチノコを持って行くと、多額の報奨金を貰えるとか。
なんてww
やっぱり自然中で暮らすものは、自然中で暮らすのが一番。
見世物なんかじゃないですものね(*´▽`*)
ttttti様
コメントありがとうございます。
個人的には、ツチノコは絶対存在する!と思っています。会ってみたいなぁ。。
お読み頂きありがとうございました!
岩坂トオルさん
幻の生物は、こういった話で語り継がれ、何処かで密やかに生息しているのかも知れませんね。