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翼猫(つばさねこ)とは翼のようなものがついた猫という未確認生物(UMA)である。翼はあるが、 基本的に鳥のように空を飛ぶことはできない。空を飛んだという話も存在するが写真などで確認された例はない。

この猫の別名を「ウイングキャット」「フライングキャット」「蝙蝠猫」「空飛び猫」「天使猫」などと呼ばれ、世界各地で目撃例が存在する。
 特に「天使猫」と呼び、幸運を呼ぶ縁起物であり“吉兆の証し”と言われている中国では、金持ちの間で高い値段で売買されている。
 未確認生物の中でも写真や資料が多く残されている種であり、このUMAを飼っていたと言われるケースも多い。

実際に翼猫が目撃されはじめたのは1800年代からである。
1867年、インドでは"空飛ぶ猫"として報じられた。アレキサンダー・ギブソンに撃たれ、その皮はボンベイのアジア協会にて展示された。ギブソンは猫であったと信じているが、他の者からはコウモリあるいはオオコウモリではないかと言われている。
その後、日本おいても翼猫は確認されいる。

1876年7月19日、日本の東京新宿大宗寺において、イギリスからやってきたイカステキ氏という芸人が「翼猫」なる生き物を見世物にしていたという。しかし、帰り道に運悪く逃亡したと『東京日日新聞』が報じている記が残されている。

1884年12月1日には、日本の宮城県桃生郡馬鞍村の山奥で『翼を広げて飛び回り、虎のように吠える黒猫』が捕らえられたと、『奥羽日日新聞』で報じられた[2]。

1897年には、肋骨から『まるでキジの様な』翼を生やした三毛猫がマトロックにて射殺されている。目撃者によると翼を広げることにより速く走ったそうである。

1933年から1934年の期間の間に、イギリス・オックスフォードにおいて、黒い翼の白猫が実際に捕獲されている。その猫には6インチほどの翼は生えており、ジャンプするさいに広げてより長距離を飛んだという。捕獲された後、その猫は近隣のオックスフォード動物園で暮らしていたという。

1950年には、かなり大型の翼を生やした三毛猫がカーニバルで展示されていた。しかし、この猫は調査の結果、皮膚異常によって毛皮が形を変え翼に似た部位を形成したものだと判明している。

1959年には、翼猫の所有権をめぐった裁判が開かれている。場所はアメリカウェストバージニア州にあるパインズヴィル山中で、翼を持ったペルシャ種に似た猫が少年により発見された。それが新聞に報じられ全米で有名となると、突然所有者を名のる女性が現れ、その少年家族と女性による裁判が行われたのである。

しかし、こうして存在を希少視する動きがある一方で、翼猫を忌諱する地域も存在する。

2004年、ロシア中央部のクルスクにて翼を持つ猫が迷信深い村人により“悪魔の使い”として認定され、袋に詰められ池に遺棄され水死した。ロシアやその周辺国ではこのように翼の生えた猫は不幸の象徴とされて殺された例は幾つか存在している。

では、なぜこれほどまでに翼猫は大量に存在し、多くの目撃例があるのか?

一部の学者によると、猫に翼に見えるものが形成される理由として、『皮膚、毛皮が固まったため』『猫の皮膚病』『奇形症候群』を上げている。

猫の皮膚病である『猫皮膚無力症』は異常な弾力と伸張によって皮膚が変形してしまう病気である。
この猫をなでると皮膚が裂け、伸びる原因となることがある。筋肉繊維をとりこむことにより羽ばたく可能性はあるが、飛行することは不可能だ。

しかし、翼猫の全てがそうした皮膚異常の産物であるかは判明していない。
目撃例の中には『空を飛んでいた』『羽は羽毛で出来ていた』などといったものが幾つも存在しているからである。

現在も、世界各地で様々な翼猫が目撃されているが、その正体については現在も解っていないのである。