『モッシー』とは山梨県本栖湖に住む巨大な未確認生物(UMA)である。
一説によると、モッシーは体長が約30メートルほど、背中にいくつかのコブを備えており、ワニのようなゴツゴツした体をしている。顔もワニに似ているとの証言や、蛇に似ているという証言もある。
モッシーの目撃例が相次いだのは1970年代。
1972年のケースでは早朝に湖の畔を散歩していた人が、突如湖面が泡立ち巨大な背びれが出現するのを目撃。背びれの主は目撃者のいる岸から50メートルほど近くまで接近した後、水中へと姿を消したという。
その話を聞いた静岡の焼津港の漁師が、マグロ網を仕掛けてその大物を捕獲しようと試みたが、網は何者かによって引き裂かれていたという。
87年にはアマチュアカメラマンが富士山を撮影していたところ、湖面からコブのようなものが現れたという。そのコブが5〜6メートルほど湖面が盛り上がりながら、泳ぐ様子を撮影することに成功。なお、水面下にはヒレが確認できたという。他にも同年にモッシーの撮影に成功例がある。
この87年の撮影成功を端にはっし、この怪物はモッシーと命名された。
本栖湖ではこのモッシーによって観光客を呼び寄せようと考え、首長竜を意識したモッシーグッズなる商品を展開。土産屋などで販売されるなどし、一応のモッシー経済効果があったとされる。
その他、富士五湖には他のUMAが存在しており、西湖の『サッシー』が有名。その他にも河口湖の『巨大亀』や『河童』伝説などもある。
もともとミステリアスな伝説が多い富士山周辺だが、もともとこの周辺には巨大なシロナガスクジラに似た巨大生物が住んでいたという証拠が幾つもみつかっており、UMAの出現地域としては妥当性に富んでいると言えるだろう。
しかしその後、2000年代に入ってからは、モッシーの目撃例は無い。
残念な事あが、こうしてUMAの出現がぱたりと途絶えるは珍しい例ではない。逆に近年になって目撃例が多発している黒海のシーサーペントタイプなどは、今後の研究に期待もできるのだが。
しかし、モッシーもかつて実証実験が行われた事がある。
その際、結成された調査団が本栖湖内でソナーによる探索を行った結果、巨大な生物の反応を捉えたとの事。しかも調査結果はちゃんと写真で残されているのだから、夢の膨らむ話である。
モッシーの正体に関しては諸説あり、異常な程巨大化した外来種のコイやナマズ、または一時期放流されていたチョウザメが限定された環境で非常に大きな個体へと成長したとする説だ。
他にも、昔から語り継がれている本栖湖の竜神の伝説と関係が深いのではないかとする説もある。
この竜神は、かつて富士山の噴火を予言したとされ、それによって天災を免れた村人たちが祭ったとされるものである。
また、本栖湖は富士五湖の中でもっとも深く隣接する西湖及び精進湖と地下水脈でつながっているとする説もあり、前述したシロナガスクジラに似た巨大生物が独自の進化を遂げて五胡の地下で生き延びていたという説もあるのだ。
今ではモッシーは本栖湖のキャラクターとして定番化しており、土産物から環境保護活動のシンボルキャラクターとして定着している。
ロマンによって地域貢献をするモッシーは、その姿こそ見せなくなったもの、しっかりと仕事はこなしているのだ。
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