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●生態

 ナメクジヘビとは、犬に似た頭部を持ち尾には毒針のような針をもっていると言われているヘビである。身体の大きさはウマほどあるとも言われているが、確認、捕獲された件数が少ないため詳細は不明である。1980年代にパラグアイのチャコで目撃された。

●ナメクジヘビの正体

 目撃情報が少なく、謎に包まれたUMAだが、その姿形はヘビのようなスマートさはないと考えられる。巨大ナメクジとして考えると、実在が確認されている種としてはバナナナメクジやアッシーグレイスラッグというナメクジが存在する。アッシーグレイスラッグは最大のナメクジで30cmにもなります。日本に限るとヤマナメクジが最大種だが、大きくても20cm程度である。こららのナメクジは、ナメクジとしてみると非常の大きいがナメクジヘビの「ウマほどの大きさ」には遠く及ばない。

 そもそもナメクジは体のほとんどが水分であり、乾燥に対してとても弱い。そのためカタツムリならば殻に閉じこもって乾燥から身を守ることもできるがナメクジは耐えることができないため、一定以上に巨大化することができない。そのためナメクジヘビはナメクジではないのではないかと考えられる。

 しかしパラグアイという国の気候の特殊性を忘れてはいけない。パラグアイは南アメリカ大陸の中央に位置し、亜熱帯の気候をもつ。そのため年中暖かく、夏は大変暑い状態となる。そして降水量が非常に多く湿度が高いため、人間にとっては過ごしにくいようだ。パラグアイ人は12月から2月まで休暇をとるがこれはこの堪え難い気候のためだそうだ。これほどの気温、湿度があると、ナメクジは乾燥という大敵から身を守ることもできるかもしれない。一般的に言ってナメクジの巨大化には限度があるが、一部の特殊な環境では可能である場合もあるということだ。

 次に考えられるのはナメクジヘビはナメクジではなくヘビであるという説だ。ナメクジヘビは英語で「(sluglike snake」と呼ばれており、これは「ナメクジのようなヘビ」という意味なのでヘビと考える方が妥当かもしれない。尾にあると言われる毒針やその大きさを考えても、ヘビの方が有力である。ヘビの最大種は「オオアナコンダ」もしくは「アミニシキヘビ」でありこれらは最大9m以上に達すると言われ、10mを超えるようなものもたびたび目撃、捕獲されている。100kgを超える個体も発見されている。オオアナコンダやアミニシキヘビはは虫類だが、は虫類は年をとるほどに成長するため、森林の奥深くで数十年も生きているようなものはそれだけ大きくなる。

 またヘビの中には毒を持つ種が多くいることはよく知られている。なんとヘビの全種の中の25%は毒ヘビだと言われている。しっぽに毒を持つものはいないが、毒ヘビは全て唾液に毒性をもち、毒牙を用いて獲物や敵に毒を注入して捕獲する。「犬のような頭部」をもつヘビはいないが、ナメクジヘビはヘビの新種や奇形と考えるのが現実的かもしない。

 ナメクジヘビについては情報が少なく、謎につつまれているためその生態は推測にならざるを得ない。しかしの巨大さや変わった特徴は他の水棲UMAにも多く見られるものであり、ひょっとしたら他のUMAと同種なのかもしれない。今後の目撃情報に期待である。