●ビッグフットの生態
ビッグフットは主にアメリカ、カナダのロッキー山脈地域で目撃される猿人のようなUMAである。体長は2.5m〜3m、足跡のサイズは35cm〜40cmと大きいことからビッグフットと呼ばれている。体重は200kg以上でずんぐりした体つき、褐色または灰色の体毛で覆われている。腕が長く筋骨隆々で、雑食。好奇心旺盛で普段は単体で行動しているという。
●これまでの目撃談、調査、その正体
ビッグフットはもっとも有名なUMAのひとつで、現地の先住民のインディアンの間に伝わるサスクヮッチ、サスカッチと言われる伝説の生物と同一視されることもある。ロッキー山脈地域を中心に目撃が多発しており、その存在は有力視されているが正体は未だに分かっていない。目撃談は非常に多く、ビッグフットの調査を専門とする研究団体も存在する。このような研究団体や個人の研究家による調査により、少しずつではあるがその生態が分かってきた。体は大きく筋肉質でゴリラのような体格だが、二足歩行する。全身は顔や手のひらを除いて長い毛に覆われている。顔は人間のように平面的で鼻が低く、目はくぼんでいて耳は頭髪で隠れている。頭頂部は後方に高くせり出している。性格は温厚だが好奇心が高く、人をあまり警戒しないがまれに誘拐したり襲撃することもある。基本的には無害でおとなしく、人間が刺激しない限り攻撃してこない。
ビッグフットの正体については様々な説がある。これまでに分かった外見的な特徴や生態から「ネアンデルタール人の生き残り説」「ギガントピテクスの生き残り説」など絶滅した霊長類の生き残りという説がある。これらは一時期は真剣に検討されたが、その後可能性は低いと見られるようになった。
その大きな理由が、人類の移動経路との不一致だ。人類はアメリカで誕生し、それからヨーロッパ、アジアを経て地続きだったベーリング海峡を渡り、北アメリカに達したとされている。そのため学説上は北アメリカに人類の祖先である類人猿は存在しないはずなのだ。小型の猿人は300万年前から200万年前にかけて大型の猿人と、現代の人類の祖先であるホモ属とに分かれ、ホモ属は進化して現代人になったが大型の猿人は絶滅したと考えられている。
しかし1980年代になって、35万年前のものと思われる原人の遺跡がブラジルで発見された。これはこれまでの学説ではありえないことだが、この時期のベーリング海峡は何度も地続きになっていたため、定説より以前に人類の祖先がアメリカ大陸に渡っていた可能性はゼロではないそうだ。そこで、小型の猿人からホモ属と大型の猿人に分かれたときの、大型の猿人が絶滅せずに生き残っているのでは、という説が浮上した。この猿人を「パラントロプス・ロブストス」「パラントロプス・ボイセイ」と呼ぶが、これらの猿人は絶滅したのではなく、北アメリカ大陸のロッキー山脈でひそかに生活していたのではないだろうか。彼らが独自に進化した結果、今のビッグフットのようになった可能性がある。
より信憑性の高い説としては、着ぐるみによるねつ造ではないか、というものがある。これは撮影された映像などから、歩き方、姿勢などが、それっぽく偽装していても解剖学的に人間のものだと主張する専門家もいるのだ。しかし真相はわかっておらず、確実な正体を知るには捕獲して実証するしかない。今後のさらなる調査の進歩が期待される。
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