●ナミタロウの生態
ナミタロウとは新潟県糸魚川市の高浪の池に生息している巨大な魚のことである。体長は2m〜3.6m、一説には最大5mにもなるという。直径15cmもの鱗がある。写真にも収められていて、日本国内ではタキタロウと並んで巨大魚UMAとして有名である。
●ナミタロウの目撃談、正体
生息地とされる高浪の池は、標高540mに位置している外周1km、最大水深13mほどのそれほど大きくない池だ。1960年代から高浪の池の管理人が巨大な魚を目撃しており、それは巨大化したコイではないかと言われていた。1987年には釣りをしていた観光客が体長2〜3mほどの魚を目撃して話題となった。また村おこしとして行なわれた「巨大魚フェスティバル」ではナミタロウの写真に30万円の懸賞金がかけられて、実際に水面に出たナミタロウと思われる背びれが撮影された。現在でも一部のUMAファンや釣り愛好家が、伝説の魚を求めて高浪の池で挑戦しているようだ。
山形県のタキタロウは、その正体は巨大化したイワナやヒメマスだと推測されているが、ナミタロウは巨大なソウギョ、もしくはコイではないかと言われている。地元では150年ほど前に高浪の池にコイを放流したという記録があり、体長3mほどある池の主になっていると言い伝えがある。
「ソウギョ」とは中国原産の淡水魚で、日本では水草を食害するため要注意外来生物に指定されている。ハクレン、コクレン、アオウオとともに中国四大家魚と呼ばれている。形状はコイに似ており、日本のソウギョは少し小さく1.2mほどだが、中国では2mにも達する。とにかく草を食べるため、除草目的で各地に放流されている。
ナミタロウが棲むと言われる高浪の池は、池の底に豊富な水草がある。水草の多さが原因で調査ができないほどだ。そのためこの豊富な水草を食べて大きく成長したソウギョがナミタロウの正体でもおかしくはない。
また誰もが知る淡水魚であるコイも、通常は60cmほどだがまれに1mをこすものもいる。雑食性で水草、貝類、ミミズ、昆虫などなんでも食べる。生命力が強く、比較的汚れた水でも生息することができ、魚類としては珍しいほど長寿である。またコイの一種である「パーカーホ」というものは最大で3m、重量300kgにも達する巨大魚だ。コイ科の最大種でタイ、カンボジア、ベトナムなどに生息しており、藻類やプランクトンなどを食べる。食用にも利用されていたがその味は美味だそうだ。もちろん日本には生息していないが、コイ科の魚類は巨大なものが多いため、ナミタロウもコイの一種が突然変異で巨大化したという可能性もなくはないのではないか。
国内で記録に残っている最大のコイは、体長1.53m、胴回り1.2m、体重45kgのものだ。確認されているものでこれほどの大きさなのだから、日本の通常のコイでも1.5m超え、もしくは2mを超えるものがどこかにいるかもしれない。
ナミタロウの最大5mという大きさは大げさかもしれないが、水中では魚は大きく見えるものだ。さらにUMA特有の誇張などもある。せいぜい2m程度が現実的な数字ではないだろうか。そう考えるとナミタロウは最大2mにもなるソウギョや1mを超えるものもいるコイである可能性は高い。今後の調査で正体が明らかになる日も近いかもしれない。
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