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ナバウ(ナブー)

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●ナバウの生態
 ナバウ、もしくはナブーとは東南アジア、ボルネオ島のバレー川で目撃される巨大なヘビである。昔から現地では伝説として伝わっており、写真にも撮影された。体長は30メートルもあり、頭部は龍のようで様々な生物に姿を変えることができるという。

●ナバウの目撃談、正体
 2009年、ボルネオのバレー川で上空から巨大なヘビのような生物が撮影された。これはボルネオの災害班のスタッフによって撮影されたもので、写真には川を泳ぐ異様に巨大な細長い影が写っている。また撮影中にこの巨大ヘビを見たという証言者が出たことが報道され、世界的に有名になった。

 ナバウはボルネオ島に住む先住民族であるイバン族では古くから伝説として伝承されており、伝説では巨大なヘビのような怪物で、様々な形に変化するという。伝説では全長30メートル以上、鼻腔が7つある。

 しかし2009年に撮影されたナバウは、その信憑性が疑われている。疑われているのは「川の色がちがう」「ヘビの形状が不自然」という点についてである。このナバウが撮影されたという時期は洪水が起こっており、この写真も洪水のために派遣されていたヘリから撮影されている。そのため川は濁っているのが普通だが、撮影された画像では川はきれいな青になっている。さらに、このバレー川は普段から茶色に濁った色をしているというので、撮影された画像とは大きくちがっている。

 また「ヘビの形状」が巨大ヘビの割にはほっそりしているところも疑われる要因となっている。アナコンダなどは胴の部分がかなり太くなっているが、撮影されたナバウと言われる生物は頭が大きく体が細いという小型のヘビのような形だ。そのため別々に撮影された画像から合成されたのではないかと言われている。

 さらにまったく同じ画像でナバウの影だけが写っていないものも見つかった。そのためこの画像がフェイクであることはほぼ確実となっている。しかしそれでもボルネオに本当に巨大な未知の生物が存在することを否定することにはならない。画像はフェイクだとしても、実際に目撃されており、古くからの伝承もあるのだ。

 この生物がもし本当に存在するとしたら、その正体はなんだろうか。形を変化させるとか、頭部が龍のようだというのは伝承されるうちに生まれた尾ひれか、もしくはなんらかの特徴を見誤ったものだと考えられる。また全長30メートルというのも大げさかもしれない。UMAのサイズは、しばしば大きく見られすぎるからだ。

 仮にこの半分のサイズだったとしたら、15メートルほどということだが、これは現実的な数字だ。世界最大のアナコンダやニシキヘビの中には10メートルを超えるものの目撃談は多く、15メートル以上のものも目撃されることがある。また古代に存在した「ティタノボニア」は通常のサイズのもので13メートルあったそうだ。ボルネオはインドネシアにあり、年中気温も湿度も高い。このような環境では生物は大型化する。古代のヘビほどのサイズに成長するアナコンダなどがいてもおかしくはないはずだ。この画像騒動で信憑性が薄くなってしまったが、いつか巨大ヘビが捕獲され、ナバウの正体も明らかになるかもしれない。