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●モラーグの生態

 イギリス・スコットランドにあるモラー湖で目撃されるUMAがモラーグだ。水棲でネッシーに似た容貌だという。体長は12〜15メートルで馬のような頭部には角らしきものが生えている。背中にこぶがあり、首が長い。奇妙な鳴き声をあげることがある。

●モラーグの目撃談、正体

 スコットランドと言えば、有名なのがネッシーだ。ネッシーはネス湖に住むと言われる世界一有名な未確認生物で、首長竜のような形であるという。そしてスコットランドのモラー湖に住む、スコットランドで二番目に有名だというUMAがモラーグだ。モラーグはゲール語のヴォラックが由来で、これは「湖の精霊」という意味だ。

 モラーグが目撃されるようになったのは19世紀からだが、ネッシーがブームになってからはさらに目撃談が増加したという。古い情報では、1893年、ウェスタン・アイルズ州に住むウーイン・マクラミンという男性が湖面に巨大な生物らしき影があるのを発見した。彼がそれをよく見ようと近づいたところ、奇妙な声を上げて消えたという。

 1930年代には、モラーグが陸に上陸したところも目撃されている。そして湖に飛び込む巨大生物を見たという小学生の目撃談もあった。1969年には、二人の若い釣り人が漁を終えて帰ろうとしたところ、乗っていたボートに巨大生物が激突してきたという。一人がライフルで撃退したが、その生物のサイズは9メートルほどもあったという。

 1977年には、はじめてモラーグの姿が撮影されたが、その写真は不鮮明で正体を解明することはできなかった。モラーグと実際に接触した情報もある。ある日モラー湖にボートを出していた二人の男性が、後方から近づいてきたモラーグに襲われたという。そこで一人がオールを振り回して追い払おうとしたところ噛み付かれ、最終的にはショットガンで撃退された。

 他にも多くの目撃談があり、モラー湖になんらかの大型の生物が棲息している可能性は高いのではないだろうか。ちなみにモラー湖とネッシーのいると言われるネス湖は60キロメートルほどしか離れておらず、地下にトンネルがあって互いにつながっているという説も古くからある。つまりネッシーとモラーグは同じ生物ではないかというものだ。

 モラーグの正体については、その姿形から首長竜型の恐竜の生き残り、もしくは進化したものではないかと言われている。首長竜とは、ジュラ紀や白亜紀など恐竜の存在した時代、長い間に渡って海に棲息した水棲は虫類のことである。短い尾と長い首を持ち四肢はヒレになっている。多くは魚を主食にしていた。

 世界でも多くの国で首長竜型のUMAが目撃されている。ネッシーは有名だが、日本国内でもあちこちで目撃されており、もしかしたら本当に首長竜の生き残りがいるのかもしれない。体長が15メートルにもなる水棲の長い首の生物と言えば、首長竜としか考えられないからだ。

 しかし恐竜の生き残りは現在正式にはまったく確認されておらず、その説を否定する声も大きい。モラー湖はネス湖から近いのだが、モラー湖は交通のアクセスが悪く、訪れる人も少ない。そのためネス湖のネッシーの人気にあやかって、モラー湖にも未確認生物がいることにし、観光客を招こうとしているという説もある。これはあらゆるUMAに言えることだが、UMAがいることによって無名の地域が世界的に知られることになるケースは多い。このような見方もあながちあり得るのかもしれない。