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アルマスとは、ロシアの北部を中心に生息するとされている獣人型の未確認生物である。
身体的特徴として、身長が1.6~2メートル近くあり、全身が赤茶色(茶褐色とも言われる)の毛で覆われている。手が長く、ある程度の道具を使いこなすことが出来るようが、首が短いのか、横を向くときは体全体で向きを変えなくてはならないという特徴も持っていると言われる。大柄な体格に似つかわしく身体能力がかなり高く、その中でも走る速さには特筆するものがあるそう。それに反して性質は非常に温厚かつ臆病である。雑食性とみられ、夜、山から人里に降りてきては食べ物を盗むこともあるのだが、身の危険が迫ると「ブーン、ブーン」と鳴きながら、あっという間に走り去ってしまうらしい。人間を襲うほどの凶暴性は持ち合わせていない。
アルマスは地域により呼び名が変わる未確認生物であり、ロシアなどではアルマスティと呼ばれることもある。ちなみに、アルマスの「アルマ」とはモンゴルの民族の言葉で「獣を殺すもの」という意味だそうだ。
アルマスは、その他のUMAに比べて目撃証言の数が飛びぬけて多い。古くは13世紀に遡り、目撃されている範囲も、ロシアのコーカサス地方からパミール高原、モンゴルや中国のウイグル自治区に至るなど大変に広範囲である。また、目撃証言に一致する点が多いこともアルマスの特徴である。現地の部族などは、アルマスの存在が日常的なものになっており、身振り手振りでコミュニケーションをとっているという情報まである。また、真偽のほどは定かではないが、1800年代、ロシアのオシャムシール地域にてアルマスが飼われていたとの報告さえもある。この捕獲された雌のアルマスはザナと名づけられ、家事の手伝いなどをしながら人とともに暮らし、驚くべきことに人間との間に三人の子供をもうけたという。
アルマスは目撃証言は豊富であるが、それに比して写真や映像資料は乏しい。しかし、アルマスと思われる生物が食事をした跡や、人間とは異なると調査結果の出た足跡、量が多い雑食生物のものと思われる糞、すみかの痕跡らしきものが発見されている。アルマスは、草を編んだり洞窟を利用してすみかを作るようで、自然に出来たとは考えにくい奇妙な場所が多数確認されている。
その正体には諸説あるが、現在最も有力とされているのが、二万年近く前に忽然と歴史から姿を消したネアンデルタール人が生き延びているという説だ。しかし、ネアンデルタール人の平均身長は1.6メートルと小柄である為、アルマスと同一の生物と考えるには少々無理があるように見える。これに関しては、どれも確証には至らないものの、人間の少ない山間部で生き残ったネアンデルタール人が、寒冷な気候に適応するために身体を大きく体毛も多く発達したからであるなどの憶測が多数なされている。
2011年、ロシアの学術会議がアルマスのものと推測される体毛などの痕跡を研究した。その結果として、実在する可能性が95%であるとの結論を出した。シベリア周辺の厳しい気候ゆえ、調査がなかなかはかどらない状況だが、アルマス実在のニュースが流れる日は、そう遠くないかもしれない。