先進国、イギリス。ロンドンを首都に持つこの国は、いつの時代も世界の先端であった。産業革命から今に至るまで世界を牽引してきた紳士の国にも未確認生物は存在している。それが、「エイリアン・ビック・キャット(ABC)」である。その噂は18世紀頃から続いていて歴史の深いUMAである。その姿は大きな猫のようであり、ピューマやヒョウなどに似ている。黒や茶色、グレーなどの毛色をしており背中にはしま模様が入っているという。鋭いかぎ爪で家畜や人間を襲うとも言われている。現在では、その捕獲や写真などの証拠も残っており、世界的に見てもかなり存在の可能性が高い生物である。
目撃談や、写真が撮られるようになったのは1960年代頃からのことである。パンプシャー州にあるとある農園では羊ややぎなどがたくさん襲われる事件が起こった。目撃証言によるとその犯人はピューマに似た巨大な猫のような生物であったという。しかし、イギリスにはそのような大型のネコ科の動物は住んでいないのである。またその後、サリー州の民家の庭でも同じような目撃証言が残っている。しかもそのときにも脱げ期したのは警察官である。このときも同様にピューマのような大型のネコ科の動物のようであったという。実際にこのときの映像も残っている。
さらにこのほかにもたくさんの証拠が残っている。1989年には、スロープ州にて、車ではねられた猫のような生物の発見が注目されている。この生物は少し大きめの猫のような姿をしていたが、手足はほかの猫よりも長くて少し変わっていた。また、スコットランド州でも、謎の猫のような生物が射殺されて話題を集めたことがある。その猫のような生物は体長が80センチほどの子どもでメスだったという。これもまた、普通の猫に比べて手足が長く、変わっていたという。この二つの事件では証拠となる生物の死骸もあったために、専門家による調査が行われている。その結果、前者のケースではアジア産の山猫、後者ではネコ科の動物の混合種であると結論づけられた。このことから、両者のケースでは、本来イギリスに生息しないはずの生物が存在していたということになる。
これらの生物の正体に関して、実際は犬や狐などの見間違いではないかという意見もある。しかし、これだけの証拠があるので実際に未確認の新種の大型ネコ科動物がいる可能性が高いのではないか、とする意見が濃厚である。一説にはその大型ネコ科動物たちは一万年前に滅んだと思われていた太古のイギリスに生息していた生物たちの子孫ではないかという人たちもいる。しかし、最も有力な意見としてあるのが、個人に飼われていた動物たちが野生化した、という説である。イギリスでは1950年代から、無許可で野獣を飼っていた人々が成長して飼いきれなくなったそれらのペットを山に捨てて、野生化するなどの問題が多発していたのである。現在でも密輸のペットの問題は後を絶たず、それらの子孫たちが、山などに住みついているのではないかという。
現在、この「エイリアン・ビック・キャット(ABC)」の正体ははっきりとわかってないものの、イギリス各地で目撃されており、イギリスでは未確認でもほかの地域では、普通に生息しているネコ科の生物の可能性が高いことから、人間の身勝手さから生まれた悲しいUMAである可能性が高い。
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