生息地:イギリス ネス湖
大きさ:体長約10~15メートル
特徴:巨大な首長竜型。背中にコブ
推測される正体:古代の海洋性爬虫類の生き残り、首長竜の生き残り
世界で最も有名なUMAと言ってもいい存在であり、20世紀最大級のミステリーであったUMA。その名はイギリスのネス湖の巨大水棲獣・ネッシー。
イギリス・スコットランド北部のハイランド地方にある、イギリス最大の淡水湖であるネス湖。1933年3月のネス湖近隣のホテル経営者ジョン・マッケイ夫妻による目撃証言が新聞に掲載されると、そこから目撃証言が多発。同年11月にはネッシー撮影しようとネス湖に訪れたヒュー・グレイによって撮影された世界で初めてのネッシーの写真が公開され、その後も数多くの写真が発表されるようになる。
最も有名な写真は、1934年4月に外科医ロバート・ケネス・ウィルソンが撮影した、通称「外科医の写真」だろう。湖面からにょっきり顔を出したネッシーの姿は、皆さんもどこかでご覧になったことがあるはずである。
そのほかにも、1960年に博物学者のピーター・オコンナーは近距離から撮影した写真、1972年と1975年にボストン応用科学アカデミーのロバート・ラインズ博士によって水中撮影された写真、1977年、アンソニー・シールズが撮影したカラー写真など、数え切れないほどの人物、研究者によってネッシーが目撃され、写真も撮影されてきた。そしてネッシーは世界的に有名なUMAとなったのである。
日本においても1960~70年代には、当時参議院議員であった石原慎太郎がネッシー捜索隊を組み、ネス湖の調査に行ったり、日本国内の湖でクッシー(北海道屈斜路湖)やイッシー(鹿児島県石田湖)が目撃されたり、さまざまなメディアで特集が組まれたりと、ネッシーフィーバーとでもいえるブームが起き、子供は水棲獣に夢中になり、大人は大きなロマンをいだいたのだった。
しかし1980年代に入り、ネッシーブームも目撃情報も沈静化していく。さらには前述した「外科医の写真」は、エイプリルフールのために模型を使って撮影したものであることが、1993年、クリスチャン・スパーリングから告白された。スパーリングの養父であるマーマデューク・ウェザレルが首謀者であり、自分らが発見したネッシーの足跡を偽物扱いされた腹いせにと、知り合いであり社会的地位もあるウィルソンに頼み込み、フェイク写真を発表してもらったのだという。
それが世界的に有名となり、ウソだとはいえなくなったそうだ。この告白以降、ネッシーの目撃情報や写真はすべて捏造とおもわれるようになり、ネッシー死亡説まで流れるようになってしまった。
だがしかし、2007年以降ネッシーは再びその姿を現し、数々の目撃、写真が増えてきている。その発端と言えるのが、2007年3月27日、ネス湖名物となっているネッシー・ツアーに参加していたシドニー・ウィルソンが撮影した写真だ。ボートがアーカート城近くを通りかかったとき、湖面を進むネッシーらしき姿が見えた。
ウィルソンはすぐさまカメラで写真を撮影、彼はその写真にネッシーの頭とヒレの一部が写っていると主張したのだ。2008年4月には同じくツアーに参加した親子が湖面を泳ぐネッシーらしき姿をビデオカメラで撮影。その映像では、巨大な何かが水面近くを泳ぐ波が確認できる。
ネッシーの正体はいったいなんなのか、いまだにその謎は解けていないが、2003年にはネス湖湖畔にてプレシオサウルスの背骨の化石が発見され、プレシオサウルス説が信憑性を帯びてきた。ネッシーの最初の目撃から70年、現在目撃されているのは初代ネッシーの子供、もしくは孫といった子孫なのかもしれない。さらには近年、イギリス北西部のウィンダミア湖のボウネッシー、イギリス海峡のチャンネルクリーチャー、イギリス北部のマージー川のニューネッシーと、イギリス各地でネッシーに似たUMAの目撃が相次いでいる。2000年代後半から、イギリスでは巨大水棲獣の活動が明らかにに活性化、ネッシーの正体が明らかになる可能性は高くなってきている。
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