ジャノ(ヴァン湖の怪獣)

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ジャノはUMAの1種で、トルコのヴァン湖に出没する正体不明の水棲生物である。体長は推定15~20mほどあり、体は茶褐色、小さな瞳を持ち、古代に生息していた海竜によく似た外見をしていることが確認されている。

このUMAはジャノの研究をしているヴァン大学で教育助手を務めたウナル・コザック氏によって至上まれな高精細の映像が撮影されたことでも有名だ。コザック氏は3年間にわたってヴァン湖を調査し、1997年に撮影に成功、またたく間に世界中で話題となった。

このUMAは様々な名前を持っており、「ジャノ」という日本での一般的な呼び名から「レイク・ヴァン・モンスター」「ヴァナ」「キャナヴァー」 など、様々な名前で世界中から注目を集めている。

1990年台から頻繁に目撃証言が集められており、日本人によって撮影された動画の中では潮を吹くジャノが確認されている。

しかしこの鮮明に撮影されたことで有名となったコザック氏の動画だが、UMA研究家の岡本秀郎 氏が「浮き沈みの際にハリボテが映しだされている」として、この動画を偽物だと主張した。またコザック氏は後日ハリボテの制作費でトラブルを起こした後、失踪。トルコ国内ではジャノの伝説は瞬く間に失笑モノとなってしまった。

また潮を吹くジャノの動画も、一定間隔で巨大な物体が潮を吹きながら浮き沈みするだけの内容であったため、一説には「湖底に溜まったガスが泥と一緒に噴出しているだけではないか」とも言われており、信ぴょう性は低いとされている。

否定される要素が多い上、トラブル続きとなったジャノの動画だが、当時の政治事情とも深く関わっていたとする説を挙げられている。というのも、このヴァン湖はクルド民族の居住区であり、トルコ政府軍によるクルド民族迫害事件とも時期がかぶさっていることから、クルド人迫害から目をそらすためのトリックではないかとも言われている。

さらにジャノ伝説が否定される理由として、ヴァン湖は塩湖であり、生息している生物といえばニシンのような小さなものしかいないため、たとえジャノが生息していても食料を確保するのは困難ではないかとも言われている。

非常に信憑性の低いUMAだが、一時期話題を読んだということで各地のUMA伝説と一線を画し、現在でも熱心な研究者やUMAファンたちに支持されている。

このジャノが発見されたヴァン湖では昔、海竜伝説が存在し、「ヴィシャップ」という名前でヴァン湖近くに住む多くの人に親しまれてきたため、一部の人達には「伝説の海竜が現れた!」として支持されいるが、詳細は謎のままである。

また、ジャノが生息している証拠として、古代の海竜としてトルコ近辺に生息していたとされるバシロサウルスが、地形の変化とともにこのヴァン湖に取り残され、独自の進化をたどったのではないかとも言われている。ヴァン湖自体の面積も琵琶湖の5倍と広く、巨大生物が生息するには十分すぎる量の水を蓄えている。

このように賛否両論飛び交うUMAだが、多くの人にロマンを与えたことは事実であり、真実はどうであれ、古代の海竜の生き残りが生息している、ということに思いを馳せる人達も多いことは事実である。