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ウマウナギとはアイルランド西部に位置するコネマラという広い範囲一帯に生息していると考えられている水棲未確認生物である。コネマラ湖沼地帯には無数の湖と沼が点在していて、その内の複数箇所で大きな蛇のような生物を目撃したという証言が長い間耐えることなく数多く寄せられている。
コマネラに位置する湖や沼の多くは入り組んでおり、互いに細い水路などでつながっていることから、ウマウナギはコネマラ湖沼地帯の広い地域で発見されている。その外見は諸説あるとされていて、コネマラ内のオーナー湖で目撃されたウマウナギは約10mほどの大きさで、たてがみを生やした姿や、全身黒灰色で水上に見えている部分だけでも2m以上あったという姿が報告されている。また、このオーナー湖内で釣りを楽しんでいた男性は水上に2つの膨らみを発見したことから、この場所で発見されるウマウナギにはコブがあるのではないかという推測もされている。また、同じくコネマラ内のデリーレア湖では100年ほど前にも目撃証言が上がっている。1900年代のはじめに、マティ・マグドナーという人物が馬車でデリーレア湖周辺を通った際に、およそ1mほどの隙間から黒光りした長細いものが飛び出してきたといわれている。その時にわずかに確認できた個体の特徴は頭部が馬のようで、胴体部分がウナギのようだったという証言から、ウマウナギと命名されたと言われている。さらに、オーナー湖のすぐ近くにあるシャナキーヴァー湖では一人の青年が一度に複数のウマウナギのような生物を目撃したという証言も報告されている。
研究者らの間では、ウマウナギの正体は長い期間生き続けてきたウナギではないかとされている。通常、ウナギはナマズと違い巨大に成長するという例はあまり見られないが、50年から100年ほどの長期にわたって生き続け、栄養を蓄え続けているとしたら異常成長して巨大になることも十分ありえると考えられている。しかし、ウナギは一般的に生殖活動を終えると間もなく死んでしまうことから生殖活動を抑えつつどうやって広い範囲に広まったのかが疑問視されているため、数ある説のうちのひとつに過ぎないという見方が多いといわれている。また、一説にはウマウナギは単に巨大なナマズではないかという考え方もあるとされている。ナマズは巨大化する例も少なくなく、コマネラ湖沼地帯の環境がナマズの成長を助長するとしたら可能性は十分ありえるという見方をする研究者も多い。しかし、現時点ではまだ現地の研究が進んでいないことに加えて、ナマズは淡水域にあまり生息しないことから条件が厳しいため、この説はあまり支持されていない。